オーストラリアの タスマニア州 は、近年になって注目されてきた比較的新しいワイン産地です。


1800年代には既にブドウ栽培が小規模ながら行われていた事がわかっているものの、商業用として本格的な活用が始まったのは、1970年半ばに入ってからでした。


歴史が浅いにも関わらず、 この地で造られるワインは今や世界で高い評価を得ており、 冷涼な気候を活かしてピノ・ノワールやシャルドネ、リースリングなどを栽培、条件が整った一部の地域では、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローも造られています。



今回ご案内する テイマー・リッジ は、1994年タスマニアの地にジョゼフ・クロミーによって設立されました。


涼しい気候を生かしたエレガントで品種個性豊かなワインで知られる、 タスマニアで1、2を争う生産規模を誇るワイナリー で、品質と生産量の両方を安定させることに成功しています。


テイマー・リッジの目指すワインはタスマニアの自然を反映した、上品でストラクチャーのあるプレミアム・ワインと、スーパー・プレミアム・ワインを造る事。


そしてその目標に近づくべく、2003年にジェネラル・マネージャーとしてタスマニア出身の ウィル・アドキンス が起用されます。


アドキンスはマーケティングのプロですが、醸造家でもありブドウ栽培の経験も持っていたことから、ワイナリーの中での各部門を統率する事となりました。


その手腕はワイナリーの潤滑油となり、例えば摘み取りの作業にしても、天候の悪化を気にして機械で一斉に収穫しようという主張と、もっと待ってから手で摘み取るべきという主張の対立があったとしたら、アドキンスが両者の意見を聞き、リスクと品質アップのバランスを図りながら的確な指示を与えてくれます。


有能な彼のマネージメントは、テイマー・リッジの飛躍に大きな影響を与える事になりました。


またテイマー・リッジの成功を支えている大きな要因として、 ブドウ栽培学者リチャード・スマート博士 の力があります。


40年以上ブドウ栽培研究を行い、250以上の著書を出し、200以上のワイナリーのコンサルタントをしている世界的権威である博士は、現在博士はタスマニアに移り住んでテイマー・リッジの仕事に力を入れています。


現在はその調査をもとに、タスマニアで最も温暖で雨の少ない場所に100haの土地が購入され、ブドウの植付けが進んでいるそうです。


さらに2005年10月からは、 パイパーズ・ブルック・ヴィンヤードの創設者であり、タスマニアを知りつくしたアンドリュー・ピーリー がCEO兼チーフ・ワインメーカーとして就任。


タスマニアの素晴らしい環境に恵まれ、優秀な人材が次々に集まるテイマー・リッジは、今後の品質向上がますます期待される注目のワイナリーです。

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