為替や天候による収穫量の減少もあり、全体的に価格高騰が続くブルゴーニュワイン。中でも、DRC、ルロワ、エマニュエル・ルジェ等の値上がりは異常なほど。


そうした状況で、いかに賢くブルゴーニュワインを楽しむかというのは、ブルゴーニュ好きのテーマになってきますが、そんな時オススメしたいのが、このジャック・カシューです。


ヴォーヌ・ロマネ村に居を構えるドメーヌ・ジャック・カシュー。ジャックは先代の名前で、1994年からは息子のパトリス・カシューがドメーヌを率いています。


所有する畑の面積は合計でも7ha程度。特級畑のエシェゾーは1ha、1級畑のヴォーヌ・ロマネ・ラ・クロワ・ラモーは僅か0.17haしか所有していません（小さいと言われるロマネ・コンティでも1.8ha）。


ちなみに、ラ・クロワ・ラモーはモノポールではありませんが、ジャック・カシューを象徴する畑で、元はロマネ・サン・ヴィヴァンの一部だったもの。ジャック・カシュー自身が特級畑への昇格を申請するなど、その実力はグラン・クリュクラスと言われています。


村名のヴォーヌ・ロマネも区画ごとに分けており、それぞれ個性の異なる区画名付きの村名ワインとしてリリースしています。


まるで公務員のような真面目な風貌を持つ現当主のパトリック氏の影響なのか、ワインメディアへの露出も少ないのですがく（公式HPも無いです…）、その実力には定評があります。


ロバート・パーカー氏も著書「ブルゴーニュ」で、


「4haとドメーヌが小さいから、ジャックとパトリス・カシューの手になるここのレ・スショやエシェゾーに運良く出会えたなら、法外なブルゴーニュのご馳走と思し召されたい。」

「ワインは古風なつくりをし、芳醇かつ濃密で力強い。」

「大半が個人顧客と西欧（ことにスイス、オランダ、ベルギー）に買われてしまい、大陸の外に出るものが殆ど無いのが惜しまれる」


とコメントし、4つ星評価を与えています！


ここ最近は少しずつ畑を買い増して生産量も増えてきてはいますが、まだまだ新興国の投資の対象にはなっていないので、価格も比較的手頃なままです。


果実の凝縮度が高く、力強い主質を持ったそのワインは、村名クラスで1/3、1級以上だと100％という新樽比率の高さでも、ワインが樽に負けてしまうこと無く、見事に調和しています。


価格高騰が続くブルゴーニュの中で、まだ知名度も高くない分、お買い得に買える狙い目の生産者！

パトリス・カシュー名義のネゴシアンものも合わせてお勧めです！

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