数珠のことで、穴が貫通した多くの珠に糸の束を通し輪にした法具のことを指します。仏を念ずる時に用いる珠との意味から「念珠」（ねんじゅ）とも呼ばれています。

"宗旨により用い方が異なる場合がありますが、一般的には仏事・法要の際に、仏・菩薩・物故者の霊位などに礼拝するときに、合掌した手にかけます。かけ方は宗派によって異なるため、注意が必要です。また合掌時以外に持つ際は、房を下に垂らし左手に持つか、左の手首に下げます。
　 ここ最近はファッションの一部として扱われるようにもなりました。念珠は、持っているだけで功徳があるとされ、災いを取り除き、平穏や安らぎを得られるといわれていることから、 仏事や法要時以外でもお守りとしても用いられています。

本連数珠

基本である「主珠」（おもだま・数珠を主に構成する珠）が108珠ある数珠は、「本連数珠（念珠）」と言います。「二連数珠（念珠）」・「二輪数珠（念珠）」とも呼ばれ、一般には二重にして使用します。 「本連数珠（念珠）」は、宗旨・宗派により形状・持ち方に決まりがあるので注意が必要です。

片手数珠

「片手数珠（念珠）」または「略式数珠（念珠）」と呼ばれる数珠は、主珠の数を簡略化した念珠をいいます。宗派によらないため、近年ではこちらを持つ方が増えてきています。主珠の数は、108珠の半数の「54珠」、三分一の「36珠」、四分の一の「27珠」、六分の一の「18珠」等があります。 また最近では、伝統的な数にこだわらず、仕上がりの輪の大きさ（手の大きさ）に合わせて18～43珠くらいで制作したものもございます。
当店の商品はこちらの念珠です。数にはこだわらず、手に取った際にしなやかに美しく見せるよう工夫してあります。

 

略式の念珠は、珠の大きさによって、男性用念珠と女性用念珠に分けられます。
男性は大きい珠の念珠を、女性は小さい珠の念珠を使うのが一般的です。

 

本連念珠の場合、一番大きい珠（1珠または2珠）の事を「親珠」（おやだま）と呼び、輪を主に構成する108珠ある珠の事を「主珠」（おもだま）と呼びます。主珠の間に挟まれている、主球より小さい四つの珠の事を「四天珠」（してんだま）。その他に、房の部分に「弟子球」（でしだまと呼ばれる珠があります。

片手念珠の場合は、親珠が一珠のみで、親珠と房の間に「ぼさ」（菩薩）と呼ばれる管状の珠が入ります。輪を主に構成する多数の珠は、「主珠」と呼びます。主珠より小さい二つの珠は「二天珠」（にてんだま）と呼びます。

念珠の珠の形状には、以下の3種類があります。

丸珠

一番に多く見られる、球形の珠。 当店の念珠もこの形です。

珠に「羅漢彫」など彫刻を施したものや、本水晶などを多面体にカットしたもの等もございます。

みかん珠

丸珠を円周方向へ少しつぶしたような形です。丸珠に比べ数珠に仕立てたときに、輪の大きさに対し珠を大きくすることができるため、肉厚で重厚な仕立てにできます。

 

平珠（そろばん珠）

みかん珠をより扁平にした珠のことです。

念珠を使った後は、柔らかい布などでやさしく汚れをふき取ってください。
木の珠の数珠も、石の珠の念珠も、水洗いや洗剤を使うのは避けてください。念珠を痛めてしまうことがあります。
念珠を使わないときは、数珠袋や桐箱、紙箱に納めておくとよいでしょう。
木の実の珠の場合には、虫などがつくことがありまので、防虫剤を入れておくと安心です。