香水のいろは
香水の使用法
基本的に使用法なんてものはありません。
ただ自分の好きな香りを自分の好きな場所にプッシュしたり、ボトルタイプであれば手にとってつけたりして楽しむものです。
ただし、一番気をつけたいのはつける量とつける場所!!
つける量

使用する香水の香りの系統にもよるので一概に何プッシュとは言えませんが、基本的にレモンやグレープフルーツ、オレンジなどのシトラス中心の香りで あれば香りの飛びが速く、また日本人の嗜好性も高いので、多めにつけてしまっても何とかなります。飛びが速いので午前中にこのような爽やかな香りを使い、 アフターファイブにはしっかりめの香りを使う、というのも上手な使い方です。

説明文にオリエンタルやウッディ、グルマン系統 という言葉があったらつける量にはご注意を!上のシトラス系と違い、最初は揮発しにくく最後までずっと残る香り(ラストノート)の比率が多く、香りもどっしりとした重いものが多いので1、2プッシュで充分に香る場合が多いのです。

つける場所

基本的には、静脈の通っている場所と言いますが、特に初心者の方は下半身を中心につけるようにしましょう。よく手首にプッシュした後耳の下辺りにす り込むようにつける人を見ますが、あれはいわゆる「香水=パルファム」の点でつけるつけ方で、
上級者向けです。一般的に出回っているスプレータイプ(=オードトワレやオーデパルファム)は点ではなく面でつけるのが基本です。

特に首すじは鼻に近く、常に香りが漂ってきて酔ってしまう可能性があります。また、手首も動かすことが多い場所なので辺りに拡散しやすく、また、手を洗ったり色々な行動で香りの飛びも速いです。香りは体温で温められ、下から上へと立ちのぼるものですので、足首の内側、ひざの裏、太ももの内側、 おなかなどにプッシュしておくと足を組んだりすれ違ったり、椅子から立ち上がった時にフワッと上手に香らせることができます。
空中に2、3プッシュした後そこをくぐる というのもよくあるつけ方ですが、強く香りすぎずに均等に香りがつくのでオススメです♪顔の辺りでプッシュしないよう気をつけて!! また、肌ではなく洋服やシーツなどに使う場合、特に色の濃い香水はシミになってしまうので避けた方が良いです。あまりないとは思いますが、大量に香水を使った後、海水浴などで直射日光を浴びるようなケースも避けて下さい。

 
香水の使用期限

香水は、肌につけるということから薬事法上「化粧品」に分類されます。
薬事法上では、化粧品は「製造又は輸入後、通常(極端に高温・低温や多湿、また直射日光が当たる等ではない)の保存条件下で3年以内に性状及び品質が変化 する恐れのあるもの」には使用期限を明記する義務がありますが、そうでないものであれば3年は変質することなく使用することが可、とされています。

ただ、これは化粧品として使用する際にいわゆる普通肌の人が刺激や痛みを感じたり、発疹などができないということについてであって、香水の香りについては保障はされません。香水には大量のアルコールが使われているのでアルコールが飛んでしまうと濃くなったり、香りのバランスが崩れたりするか ら、というのが主な理由ですが、実際の所3年以上経過したものを使用することについては、個人の判断と責任のもとであれば問題はありません。保存状況によっては10年経っても全く問題なく使えるものもあります(ただし、あくまで個人の責任のもとでお願いします)。何でもそうですが、開封後はできるだけ早く使い切ることをお勧めします。

 
香水の濃度別分類

香りは以下の表のように分類されます。
賦香率(ふこうりつ)と呼ばれる香料の濃度により分類されています。
これをアルコールや蒸留水で割ったものが私達が一般的に言う「香水」となります。

ただし、鵜呑みにしないで!!濃度○%だからオーデパルファム、○%だからオードトワレ、というのに特に明確な法律や基準はないのです。と言 うことは、極端な話、濃度1%でもパルファム(香水)と自称することも可能なわけです。あくまで一般的に言われている、一つの目安と思って下さい。また、 香料によっては香りが優しく大量に使ってもあまり強さを感じないようなもの、逆に、香りが大変強く、希釈してほんの少しだけ使っても、全体がその香りで占拠されてしまうほどに強烈なものもあります。当然前者は濃度を上げてもあまり強い香りにはならず、後者は低濃度でも強い香りになりますね。こういったこと からも、オーデパルファムだから強い香り、オードトワレだから弱めの香り、と一概に決めつけることはできません。(例えばシャネルのNo.5の中でのオー デパルファムとオードトワレのように、同じ香水での差であれば、当てはまりませんけど。)

香水の濃度別分類
パルファム(香水)
Parfum
P 15~40% 5~7時間程度 基本的に高価です。味わい深い香りが長時間持続します。「点」で使用する、なんて言われてますね。
オーデパルファム
Eau de Parfum
EDP 10~20% 4~5時間程度 割とパルファムに近い濃度だが、手に入りやすい。そこそこ香りも持続するので使いどころがポイント。男性用にはほとんどありません。
パフュームドトワレ
Perfume de Toilette
オーデトワレ
Eau de Toilette
EDT 5~15% 3~4時間程度 EDPよりも軽めなので使いやすい。昼間の使用におすすめ。
オーデコロン
Eau de Cokign
EDC 2~10% 1~2時間程度 お風呂上がりや、リフレッシュしたいときに。軽いので気軽に使えます。ユニセックスもの・男性用が多い。
オーデサントゥール
Eau de Santeur
EDS 1~3% 1~2時間程度 アルコールフリーのものです。肌の弱い方やお子様におすすめ。
 
NOTE(ノート)とは?

香水はつけてから時間の経過とともに香りだちが変化していきます。概ね3段階に分かれて変化するとされています。香水は様々な原料からできていますが、揮発が早い順に空気に溶け込んでいくためにこのような現象が起こります。そこで、NOTE(ノート)という香 りの階層を示す指標が一般的に使われており、香りの特徴を説明することが多いです。

トップノート → つけはじめから10分程度
ミドル(ハート)ノート → 30分後~2時間後程度
ラスト(ベース)ノート → 2~6時間後
  ※賦香率によって時間も差があります。
ノート ・シトラス(レモン、オレンジ等柑橘系類)
・ハーバル(ミント、ユーカリ等)
・グリーン(ヒヤシンス、ガルバナム等)
・フルーティー(ピーチ、アップル等)
・アルデヒド系(シャネルNo.5・マダムロシャス等への配合で有名な香料)
・フローラル(ローズ、ジャスミン、ミュゲ、ライラック等)
・スパイシー(クローブ、シナモン、ペッパー等)
・ウッディ(サンダルウッド、パチュリ、ベチバー等)
・バルサミック(ベンゾイン、バニラ、トンカ等)
・アニマル(ムスク、アンバー、カストリウム等)
 
香水用語の基礎知識
シプレとか、アンバー?グルマン???それって一体何?という方のために・・・
シトラス
レモン、オレンジ、マンダリン、グレープフルーツ、ライム、ユズ等の柑橘類の爽やかな香り
グリーン
草や葉っぱ等緑の香り、または花や果物の熟していなく(甘くなく)青い感じをイメージさせる香り
ウッディ
サンダルウッドやベチバー・セダーなどの、木のような香り。多用すると男性っぽいイメージになる。ラストノートを構成する要素なので、香りの持ちは良いです。
バルサミック
甘く重厚でボリューム感のある香りの系統。主に木の樹脂からとれる香料。
フランキンセンス(乳香)、ミルラ(没薬)、ベンゾイン(安息香)、スティラックスなど、東洋の神秘を感じさせる系統の香り。下記のオリエンタル系の香調 には欠かせない系統。
スパイシー
クローブ、シナモン、ペッパー、カルダモンなど刺激的なスパイスの香り
フローラル系
・ローズ、ジャスミン、ミュゲ(すずらん)、ライラック、ミモザ、フリージア、カーネーション、等の花が中心になった香り、もしくはそれらの花をミックス したブーケのような香り。
代表例:クリスチャンディオール“ディオリッシモ” ジャンパトゥ“ジョイ”シャネル“No.5”など
アンバー系
アンバー(マッコウクジラの腸内にできた結石からできた香料)調の香り。甘くてゴージャスな香り。ムスク同様、ラストノートを構成する要素なので香りの持 ちは非常に良い。
ムスク
雌のジャコウジカの生殖腺分泌物を乾燥させて希釈した香料。石鹸などに多用されているのでムスク=お風呂上りの(または石鹸ぽい)香り と思っても多分間 違いではないです。ムスクがたくさん入っている香水はセクシー系と言われることも多いです。ラストノートを構成する要素で香りの持ちは非常に良いです。
オリエンタル系
東洋のエキゾチックで神秘的なベンゾインや乳香(フランキンセンス)、バニラ、トンカ、アンバーやシベットなどのアニマル など、ラストノートを構成する 香料がかなり特徴的に使われた、甘く(もしくはスパイシーで)重厚で華やかな香り
代表例:ゲラン“シャリマー”、イヴサンローラン“オピウム”、ジャンデプレ“バラ ヴェルサイユ” など
シブレ系
重厚感や格式高さを表現する基礎構成。女性用にも男性用にもこの系統はよく使われます。クラシカルな香調で、ベルガモットやオークモス(苔)を基調とした落ち着いた雰囲気の香りになります。
代表例:ゲラン“ミツコ”、アラミス“アラミス”、グレ“カボシャール” など
フゼア系
男性用香水の典型的でクラシカルな基礎構成。ラベンダーやゼラニウムの香りにクマリン(トンカの主要香気成分。パウダリーで甘い香り)などを足したもの。 爽やかな中に甘さがあり、セクシーさもある系統。
代表例:ギラロッシュ“ドラッカーノワール”、ダンヒル“エディション”、カルバンクライン“エタニティフォーメン” など
グルマン系
バニラやチョコレート、クッキーなどのお菓子の香り。別名コンフェクショナリー系とも。大変甘い香りで、美味しそうと表現されます。使われる香料は揮発性の低いものの割合が多いため、香りは飛びにくく持続性もかなりあります。 甘い香りが苦手な人も多いので、つけ過ぎには充分注意してつけたい系統の香りです。
代表例:テュエリーミュグレー“エンジェル”、アクオリナ“ピンクシュガー”、ブリトニースピアーズ“ファンタジー” など
 
アトマイザーって?

お気に入りの香水をいつでも気軽に持ち歩けるよう、小さいサイズのものに詰め替える、ガラスのスプレー瓶のこと。ガラスの上にメタルのカバーのつい ているもの、色々な柄や色・形のものなど、様々な種類があり選ぶのが楽しくなっちゃいますね♪

スプレーのついていないボトルタイプの香水や、容量が多くて瓶ごと持ち歩くには不便という香水を気軽に小さいスプレー容器に詰め替えるにも便利 です!!

香水本体からアトマイザーへ詰め替えるのは、手慣れていないと中々難しいですが、そんな人のためにあらかじめじょうごやスポイト・長く伸びたス プレーヘッドの替えなど、簡単に詰め替えられるツールが付属しているアトマイザーもたくさん販売されていますので、是非探してみて下さい!!

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