色彩やデザインの美しさに優れ、ファンタジーを豊かにするおもちゃ。
子どもたちの成長、発達を応援するおもちゃ。
そんなおもちゃ作りのためのアイデアを求めながら、40年近く木製玩具にこだわって製造を続けている会社です。
ミュンヘン近郊の田園風景の中にある小さな町から、きょうも世界中の子どもたちのもとへ巣立っていくおもちゃは、セレクタの誇りです。


セレクタはドイツ南部のミュンヘンに近い田園風景の中にあります。1968年創立ですからまもなく創業40周年を迎えますが、変動するドイツの玩具業界にあってもその社名とシンボルマークにこめられた哲学に変わりはありません。Selectaとは"厳選されたもの"という意味のラテン語から引用されました。そしてシンボルマークにご注目ください。球形にも輪にもみてとれるマークに象徴的に託されたのは、命の恵みをもたらしてくれる太陽、木、軽やかでしなやかな動き、丸みをおびた柔らかな形のセレクタ製品そのものなのです。この哲学を守りながら、「子どもが楽しんで自主的にあそぶこと」を焦点にすえて、長年の経験をひとつひとつのおもちゃの発展に組み込んできました。それではセレクタのこだわりについてお話しましょう。

木にこだわる

セレクタが最も大事にしていること、それは「自然素材」とくに「木」にこだわるということです。太陽の恵みとエネルギーを葉で吸収し、木はこのエネルギーを幹にそして枝に蓄えます。木のおもちゃに接するとき、幼い子どもも自然のもたらすこのエネルギーと暖かさを、知らず知らずのうちに手に取り吸収していることでしょう。
何百年という時を単位に、いきものに生命を授ける力を蓄えた木。自然のもつ数ある不思議のなかでも、木はとりわけ大きな謎を秘めた自然からの贈り物ではないでしょうか。この自然のもつ不思議な力を子ども部屋にもたらし、その力と恵みに接するすばらしさをセレクタは何よりも大切にしているのです。
ひと口に「木」と言っても様々ありますが、セレクタではドイツ国産の木材を使い、しかもカエデのような目の詰まった木を好んで使います。丈夫でひずみにくいからですが、それは同時に長期間使えるため過剰な木の伐採を防ぐことをも意味します。


安全性と品質にこだわる

安全性に十分配慮することはおもちゃメーカーの使命とも言えるでしょう。セレクタ製品の鮮やかな色彩は、毒性のない水溶性の塗料で染色されたものです。さらに幼い子ども向けの製品にはビーワックスを使います。「ビーワックス」とはみつばちが作り出す「ロウ」のことですが、表面をビロードのようになめらかにするだけでなく、天然の香りが子どもの感覚を心地よく刺激します。このカタログのなかでビーワックスを使用しているおもちゃにははちのマークがついています。化学ワックスに比べコーティング力が弱いため、色落ちすることが全くないとは言えません。けれども自然素材にこだわるセレクタの姿勢の方をこそ評価したいと思います。
プリントの技法で特筆すべきはセレクタが独自に20年をかけて開発してきた「TDプリント」です。この技法は特殊な紙に印刷された絵柄を木の板に直接熱転写するもので、光沢のある明るく美しい色づかいの絵が生き生きと印刷されます。唾液による色落ち、表面の傷を防ぎ、乳幼児があそぶ木製品にとってうってつけの技法と言えるでしょう。
「セレクタアルバム」「パズル」「絵カード・ゲーム」などにこのTDプリントが施されています。
品質管理についても、長年の経験を生かし自社内で整備した管理基準マニュアルに従って製造し、ヨーロッパの安全管理基準に合格したものばかりなのはもちろんのこと、必要に応じて安全性を確証するために社外の権威ある専門機関によるテストも受けています。


イノベーションにこだわる

創業以来ゆるがない哲学を大事にしながらも、常に新鮮なアイデアを求め、斬新な展開を提供するおもちゃやゲームを開発することで、現代の子どもたちの成長に携わっていこうとする「イノベーション(革新)」の姿勢が近年のセレクタには顕著です。この努力は専門家のあいだでも定評を得、数々の賞を獲得しました。
とくにゲームの分野での活躍はめざましく、ドイツ子ども向けゲーム・オブ・ザ・イヤーを'02、'03と続けて受賞しました。これはおもちゃメーカーのみならずゲームの専門メーカーが多数あるドイツにおいて異例の快挙と言えます。またイノベーションのひとつとして、古くからあるものに新しい発見を与えるという考えが様々なジャンルの製品に表現されています。

セレクタ、これから

これまでセレクタが力を注いで開発してきた製品は、大きく次の4つのジャンルに分けられます。生まれてきて初めて出会う身近な世界としての「赤ちゃんから幼児のおもちゃ」、常に斬新なアイデアが楽しい「ゲームあそび」、バリエーションに富み子どもたちの目が輝く「ドールハウスシリーズ」、そして子どもがすごす空間にいつもセレクタをという願いをこめて「子どもたちの世界」。さらに昨年(2006年)セレクタは、この「子どもたちの世界」に Kinder(t)ra¨umeという新しいコンセプトを打ち出しました。Kinderは子どもRaumは部屋・空間という意味のドイツ語ですが、そのあいだにtを加えると「子どもの夢」を表す単語になるからおもしろいですね。