オスピスのある本拠地、ボーヌの名高い1級畑から造られる赤ワイン。1級畑名は、Les Grevesが1.16ヘクタール(1961年に植樹)、Les Aigrotsが0.42ヘクタール、La Mignotteが0.35ヘクタール、そしてクロ・デ・ムーシュが0.29ヘクタール(1955年に植樹)となっています。

■ボーヌの特徴
ブルゴーニュの真ん中にあるボーヌ、この土地のワインは素直で、非常にバランスがよいのが特徴です。 柔らかく、酸味や果実味といった味の要素がバランスよくまとまった、女性的で上品な赤ワインが作られています。 さくらんぼやプラムを思わせるピノノワールらしい果実味、熟成と共に紅茶やスパイスのようなニュアンスが現れてきます。

このキュヴェは、フランスの17世紀に実在した人物、ユーグ・ベトーとルイ・ベトーの兄弟への敬意をこめて造られているワインです。 兄であるユーグ・ベトーは、フランス王の相談役兼従者として王を支える存在でした。17世紀当時、ヨーロッパには戦争が蔓延しており、オスピスも幾度となく破壊の危機にさらされました。そんな時、このオスピスを保護したのがユーグ・ベトーです。 風通しの良い診療所を造り、その土地に菜園を開墾するなど、オスピスに尽力しました。彼が去ったのちは、弟のルイがそのあとを引き継ぎ、多くの寄進を続けました。

le Village 0.77ヘクタール、Carelle sous Chapelle 0.31ヘクタール、Les Fremiets0.22ヘクタール、En Taille Pieds 0.18ヘクタール、Caillerets Dessus 0.17ヘクタール。ヴォルネイの5つの1級畑の中でも、もっともよい区画から造られるキュヴェです。

■ヴォルネイの特徴
村全体のレベルの高さ、人々の真面目さといった要素から、実は“通”から評価が高い産地が、この「ヴォルネイ」です。「もし、ブルゴーニュワインのことを全く知らず、造り手も、畑のことも、各年のブドウの作柄についても見当がつかないのであれば、コート・ドールのどの村のものよりも『ヴォルネイ』のワインを選ぶのが最も手堅い選択である。」(マット・クレイマー) ブルゴーニュ赤ワインのなかで最も女性的といわれ、繊細さ、芳醇さ、ブーケ(香り)の華やかさで高い評価を受ける産地です。 香りの特徴はスミレ、スグリ、チェリー、熟成させるとスパイス、ジビエ、煮つめたプルーンのようなニュアンスが現れます。凝縮感がありますが、デリケートで表情豊かなタイプです。

名高い軍人として、第一次世界大戦を戦った将軍、ポール=ジュール・ムトー(Paul-Jules Muteau:1856-1927)にささげるキュヴェです。 ムトー将軍は、連合国軍を勝利に導いたフォッシュ将軍の幕僚として働き、のちにレジオン・ドヌール勲章を授与されている人物です。 彼は1926年に、オテル・デューに重要な美術品を含む寄進を行いました。このことに感謝の意を表し造られているキュヴェです。

HOSPICES DE BEAUNE | オスピス・ド・ボーヌ