シャトー・ボー・シット訪問

ボルドーの左岸ジロンド川の北部に位置するサン・テステフ村に位置するシャトー・ボー・シットを訪れました。 あいにくの雨でしたが、醸造責任者の方に丁寧にご案内して頂きました。 このページの下にある動画でも話していますが、この雨の原因が実はあるんです。。

まずはじめにきれいに整列されたボー・シットの熟成庫。

だいたい毎年新樽比率40%前後をキープするという高級グランヴァン並みの造り方です。
熟成庫内も写真の通りとても整然としており、手入れの行き届いたきれいな新しい熟成庫です。

格付けではないものの、周りは格付けのシャトーに囲まれたロケーションで、 カベルネ比率が高くカベルネ・ソーヴィニョンが60%、他にはメルロー30%とカベルネ・フラン7%にプティ・ヴェルド3%の栽培比率。

樽熟成はオークで約12か月~18か月ほど熟成されます。

さらにこのシャトーは、メドックの中でも最も古いシャトーの一つと案内された古い熟成庫。

ここは湿度が非常に高く、壁伝いに水が滴るほど。
まわりについているカビは、青かびチーズで有名なロックフォールチーズと同じ状態のカビだそうです。
ここでゆっくりとワインは寝かせられ、いい状態で熟成しています。

カベルネ比率が高いせいか、30年は熟成に耐えられるとおっしゃってました。
眠っているボトルも古いボトルは70年代のものなどもありました。

ここは地下道。

雨の日に使う通路としても使用され、中は古い部分と新しい部分が上手に共存し古き良き姿がきちんと保たれています。







そしてとてもきれいに手入れされているステンレスタンク。

約35ha所有のぶどう畑で収穫されたブドウをこのタンクで醸造します。
ちなみに収穫はもちろん手摘みで行われるそうです。
発酵は約14日~20日間かけて行われます。

そしてこの後外へ行って畑を見せていただきましたが、着いた時よりも雨が本降りになってきたことで実はこれは近くの「ソシアンド・マレ」が行っている大砲の音ということを教えていただきました。

動画でも少し説明してますが、実はこの時期雹の被害にあわないように、雨雲が来たら空に向かって電波(定期的にドンという音が鳴っていました)を送るシステムを使っているそうです。
そのおかげでというべきなのか、雹ではなく雨に変わってくれるそうです。。
今回訪問した際はまさにそんな日で、途中からだんだん雨がひどくなっていました。
※ちなみにこのシステム24時間稼働しているそうです。つまり雹が降りそうな雨雲が来たら夜中でもずっとドンっという音が鳴っているそうです。ブドウの為にはとっても助かりますがシャトーの方たちは大変ですね。。


そして傘をお借りして外へ。
ぶどう畑や隣のシャトーなどの説明をしていただき驚きました!

実はお隣の畑は、ここサン・テステフの格付けシャトーで有名なハートのラベルの「シャトー・カロン・セギュール」が目と鼻の先。さらにモンローズなどもすぐ近く。
立地を考えると格付けとしてもおかしくないくらいの絶好のロケーションです。


そして最後に「シャトー・ボー・シット」、そしてセカンドの「シャトー・オー・ヴィニョーブル・セガン」をテイスティングさせていただきました。

カベルネ主体のワインということで2008年ヴィンテージはまだまだタンニンがしっかりとあり若い印象がありましたが、全体的にはしっとりと果実味とタンニン分がなじんでやわらかい印象がありました。

シャトーはとても手の行き届いたきれいなシャトーで、 ブドウ栽培、ワイン造りも徹底した管理の元行われているのを感じました。
醸造責任者の方も新しい部分と古い部分などとても誇らしく語っていただき、自分たちの造っているワインにとても自信を持っているのを感じます。

今回訪れた、ボルドー「シャトー・ボー・シット」の熟成庫やシャトー内を動画にまとめましたのでご覧ください。
一部聞き取りにくい個所がありますので、翻訳テキストをお読みいただければと思います。

●聞き手: ネットショップ店長田中、仕入れ担当セバスチャン