ラトー氏のワインは、現地フランスで75%が決まった客先に送られるため、輸出は僅か25%のみ。
日本へ回ってくるものも極少量という、本当に希少な自然派ワインです。



ロマンスグレーの髪、長身の寡黙な紳士で、実はものすごく愛妻家・・・

この人こそが、実はブルゴーニュで最初に自然派栽培を実践した先駆者だったのです。


始まりは1979年。
フランス自然派ワインの先駆者。

草だらけの畑、ふわりと柔らかいキノコの香りがする土。
30年以上ビオディナミ栽培を行った畑は微生物、昆虫、動植物といった生態系が完全に循環しています。

表土は雑草におおわれていても、ブドウには全く影響ありません。
ラトー氏の栽培によってブドウは表面ではなく、地下数メートル、時に10メートル以上にも根を伸ばすためです。

1979年、ブルゴーニュのコート・ドール地区で「ビオディナミ栽培」という自然派農法を始めました。

当時は化学肥料や農薬の効果が最善とされていた時代。
そんな中で時代に逆行し、科学的なものを一切避けて自然のままの土作りから実施する彼を、周りの人々は奇異な目で見ていました。
それが今や立場は逆転し、多くの人が自然栽培を取り入れようと奔走し、ラトー氏に教えを求め、訪ねる人も増えているそうです。

ワイナート24号「ブルゴーニュ・ビオワイン特集」で登場!
「コート・ドールでビオディナミを最初に採用した、実直な生産者の落ち着いたワイン」として紹介されました。

ゴ=ミヨ -Gault & Millau -

Domaine Jean=Claude Rateau ★★★

現在ビオディナミという方法がブルゴーニュに浸透しつつあるが、このジャン=クロード・ラトーはその道の先駆者である。
他の志ある生産者が尋ねてくれば、惜しげもなくノウハウを伝授しているのである。

ブルゴーニュの優良生産者達の中では、今自然派栽培が当たり前になってきました。
もともと「テロワール」と呼ばれるその畑の個性を表現したワイン造りをするのが身上というブルゴーニュの生産者たち。
農薬や化学肥料に頼らず、手をかけて育てたブドウから生まれるワインが、結果として香りも味わいも素晴らしいものになるということに気付いたからです。

特に注目を集めるのは、ドメーヌ・ルロワ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティなどブルゴーニュの大御所たちが次々と採用するバイオ・ダイナミクス(ビオディナミ)という自然農法。
しかし、この方法を今から30年以上も前、1979年から実践し、ワインを作っていた人物がジャン・クロード・ラトーです。

ジャン・クロード・ラトーが初めてビオディナミの威力を知ったのは17歳の時。
庭で実験してみたところ「土が生き返り、草がよく育ち、きれいな花が咲いた。」
だから醸造学校を卒業し、フランス国内を研修して回った時にも、ボジョレーにあって、先駆的にビオディナミを採用していたルネ・ボス=プラティエールを訪ねた。

~ドメーヌを立ち上げた1979年、ビオディナミ栽培を最初から採用したのは彼にとって当然の成り行きだった。
それはコート・ドールで最も早く「除草剤や化学肥料をふんだんに使用していた時代、周囲から奇異の目で見られた」というが、「テロワールを表現する」方法として、彼にはそれ以外は考えられなかった。~ 
ワイナート24号 p36より 

一般的にビオディナミ栽培に切り替えても、品質に影響が現れ始めるのは7~8年後からと言われています。
有機的・生物循環的な土壌へ切り替わってゆくための期間、ブドウが地中深く何メートルも根を張るまでに要する期間が必要なので、どうしてもすぐに効果がでることはありません。
そして、その効果は長く続けるほど安定し、畑の特徴を反映したすばらしいワインが作られるようになります。

30年以上も自然派栽培の畑。
今これに追い付ける生産者は誰もいません!