Domaine Paul Pillot ドメーヌ・ポール・ピヨ |
シャサーニュ・モンラッシェに居を構える、
白ワインの名手として名高い3つのピヨ家。
中でもロバート・パーカーに
「3つのピヨ家の中で最も秀逸なワインを生み出す」と
絶賛される作り手が、このポール・ピヨです。
1858年、ジャン・バプティスト・ピヨによって、シャサーニュ・モンラッシェの地に設立されたのが始まりです。
その後2代目にあたる2人の息子、アルフォンスとアンリ(3代目ポールの父)によってぶどう畑はさらに拡張され、その品質から徐々に名が知られるようになりました。
どちらも13歳のころから父親と共に畑で働いていた、生粋の職人でした。
1953年、アンリは結婚します。
アンリには5人の子供がいましたが、
中でも息子のポールは人一倍このシャサーニュの土地とワインを愛していました。
彼は1968年にドメーヌの成功と併せてシャサーニュにある有名な畑を購入してゆきます。
もともとヨーロッパを中心に評価が高かったこともあり、3代目ポール・ピヨは特に積極的に日本へワインを売る
必要も感じていなかったこともあり、
輸出は過去数年前で途絶えていました。
しかし、世界最高峰のドメーヌ「ラモネ」や、海外で武者修行を行ってきた
若き4代目「ティエリー」は、父とは逆に日本のマーケットへもぜひ紹介したい、という強い希望を持っていました。
このティエリーの意見もあって、ついに日本への輸入が実現したのです!
また2003年からはクリステルが栽培から醸造までを学び始め、
家族でドメーヌを守る伝統がまた次の世代につながれています。
ここ最近の評価すべきワインとして、私はシャサーニュ・モンラッシェにある
3つのピヨ家※の名を挙げたい。
そして、その中でもポール・ピヨは最も素晴らしいワインを生み出している。
10ヘクタールを所有するこのドメーヌは、すべて家族の力だけで運営されている。
彼の白ワインは、新樽を25%使用し12から16カ月間澱と共に熟成される。
最小限の不純物のみ取り除き、澱やその他ワインの成分を残したまま共に熟成させることで、ワインに深みをもたらすのである。
コクがあって、あたかも樹液を思わせるリッチな、芳醇な果実味を持ち、
同時に熟成に耐えうる構造も持つ。
とりわけシャサーニュ・モンラッシェのラ・ロマネ、カイユレ、
そしてグランド・リュショットの3つは非常に美しいワインだ。
赤は白に比べると、若干ムラがあることは否めない。
しかし私は過去にポール・ピヨの非常に豪華で、素晴らしい赤ワインを味わったことが何度もある。
シャサーニュ・モンラッシェ赤のクロ・サン・ジャン、このワインは同様に25%新樽を用い、18カ月間樽熟成を行う。
※他二つはジャン・マルク・ピヨ と ローラン・ピヨで、どちらも評価は高い。
Les Grandes Ruchottes 5つ星
桃、アプリコットのような魅力的な香りに高貴さ漂うオークの香り。
リッチで濃厚、クリーミーな質感、しかし軽やかな印象を覚える。
強烈なミネラル感溢れる余韻が長く続く。
Clos St. Jean Chassagne Montrachet 3つ星
「ワインの王」と称され、ボルドーと双璧を成す銘醸地。
通常、単一ぶどう品種からワインが造られ、赤はピノ・ノワール、ガメイ(主にボジョレ地方)、白はシャルドネ、アリゴテを使用。
中世、ブルゴーニュでは修道院や王族がブドウ畑を所有していましたが、
フランス革命時に国庫に没収され小作人達に分け与えられました。
ブルゴーニュ赤の最高峰がロマネ・コンティなら、白の最高峰はモンラッシェ。
文豪デュマが「跪いて飲むべし」と記した、この極上の白ワインが生み出される畑があるのがシャサーニュ・モンラッシェ村。
ブルゴーニュ一、いえ、世界最高クラスの白ワイン生産地です。
村名に「モンラッシェ」と付いていると、ついつい辛口白ワインばかり
イメージしてしまいますが、シャサーニュ村の方は赤ワインも白と同じくらい造られています。
世界最高峰とも言われる、素晴らしい白ワインを生み出す
シャサーニュ・モンラッシェ村。
その特徴は、何でしょうか?
■ 凝縮した味わい、コク
よくバターやナッツのような…と表現される重厚で複雑な風味、桃やアプリコット、柑橘、そしてメロンのような、魅惑的に漂うスケール感の大きな果実味。
すっきり系の真逆、こってり系のまさに代表ともいえるのが、このシャサーニュ・モンラッシェです!
■ 熟成能力
若々しいシャサーニュも魅力的ですが、シャサーニュ・モンラッシェのワインのもう一つの魅力は、熟成能力にあります。
強烈なミネラルや、緻密な酒質、がっしりとした構造によって、熟成に耐えることができます。
そしてシャサーニュ・モンラッシェは熟成によって、若いころよりも香り、味わいに複雑味が加わってゆきます。
徐々に濃さを増す黄金色とともに、蜜、ナッツ、キャラメル、バタースコッチといった熟成しなければ味わえない複雑な香りが加わります。
そのボリューム満点のブーケを味わう為に、ワイングラスで有名なリー
デル社はシャルドネグラスのシリーズに「モンラッシェ」という名の、
大ぶりの丸いグラスを開発したほど!
それほどまでに、魅惑的な香りと味わいが魅力の白ワイン。
作家として有名なアレクサンドル・デュマは、最高の白ワイン「モンラッシェ」について、
『脱帽し、跪いて飲むべきワイン』と評したと言われています。
ロバート・パーカーのバイヤーズ・ガイドによると、
シャサーニュの優れた畑(特級を除く)はクロ・サン・ジャン、マルトロワ、シャンガン、カイユレ、
ラ・ロマネ、モルジョ、フランスモン、クロ・ピトワとあります。
コート・ド・ボーヌ地区のほぼ中央に位置し、世界で最も高価な白ワインモンラッシェを産するピュリニー=モンラッシェ村とシャサーニュ=モンラッシェ村がそれぞれ東と南に接しています。
その有利な立地条件にも関わらず、両隣の有名な村の名声が強すぎるため、
あまり知られていません。
その分品質の割に価格の安いものが多く、通には「お手頃に本格ブルゴーニ
ュ白を探すなら、サン・トーバンから」と受けが良い場所です。
(神の雫では、使徒探しの手掛かりとしてサン・トーバンのワインが登場しています)
サン・トーバンの白ワインは、畑の標高が高いため、シャサーニュ・ピュリニーに比べてやや涼しい気候が影響して、バランスのとれた酸味とミネラル感があり、シャープでエレガントな特徴があります。
15あるプルミエの中で最もシャサーニュ村に近い畑。 サン・トーバンの中では、最も柔らかく芳醇なタイプのワインが造られます。 白桃や白花の香り、しっかりをミネラルが豊かな果実味を引き締めます。