ドメーヌ・ジャン・クロード・ラトー訪問

シャブリを後にしてディジョンで一泊した後、ブルゴーニュのビオ・ディナミの第一人者の一人である、ラトーさんを訪ねました。
ディジョンから南の方に車で30分ほど走らせ、ボーヌの町の近くにドメーヌはあります。


彼は一人で手掛けられる8.5ヘクタールほどのブドウ畑を持っており、自然派にこだわった作りをしています。

醸造所の入口の近くには、自然の物のみを使った肥料を作る機械が置いてあります。
そこに水や牛の糞などを入れて、化学薬品の入っていない肥料が作られます。
醸造所は一階がパッキングをする場所になっており、地下にタンクや木樽が置いてあります。
樽はブルゴーニュ産の樽が使われており、これは新樽ではない物が使用されています。

ブルゴーニュの個人経営のワイナリーらしい地下が広がっています。
こちらで今熟成中のワインをいくつか試飲させていただきました。
3年前に日本人の女性がこのドメーヌに研修に来て、その時に実験的にオレンジワインを作ったのをきっかけに、今年初めてオレンジワインを本格的に作ったそうです。 更にアルザスでワイナリーを経営している奥様の、アルザスワインも試飲させていただきました。

ワイナリーから一番近いブドウ畑も見学させていただきました。 畑の土の色は区画ごとに違っていました。これは地質が違うせいで、そのおかげでワインのキャラクターに幅が出て、それぞれのワインの個性が出るそうです。

クシュリアという名前のこの区画は、シャルドネに適した畑です。前日に見たシャンパーニュとシャブリの畑とは違って、緑が活き活きしています。
この畑の特徴は、第一にその名が示すように日が長い事。日の入りの最後の光まで受けることからこの場所の名前が付けられたそうです。
この区画は後ろに岩の壁があり、冷たい風からも畑は守られているために良く育ちます。

第二に、地質がとてもユニークです。
歴史的にこの一帯は石切り場であったことから、丘が切り崩されて地中深くの建設に適した石は運ばれ、ボーヌの町の建設に使われました。
代わりに上にかぶさっていた土が、この畑の表面に置かれました。そのおかげで根が地中深くまで伸び、質のいいブドウができます。

見学時間は1時間ほどの短い時間でしたが、ブルゴーニュの区画ごとに特徴が違うとミクロクリマを肌で感じることのできる見学でした。