伝統と今の融合。コルムの3Dデザイン

革は水に濡らせて、型に押し込み、乾燥させると、そのままのカタチになって固まってしまいます。これは可塑性（かそせい）と呼ばれる革の特性で、この性質を利用して革を立体的に成型する伝統的な技法を革しぼりと言います。革しぼりは一般的に木型を使用するため、単純な形状しかできませんが、colm（コルム）では3Dデータをもとに樹脂型を製作することで、従来よりも複雑でデザイン性に優れた立体成型を実現しています。デザイナーの成田吉宣がプロダクトデザインの視点で、伝統技法と現代の技術をミックスして生み出したレザージップウォレットです。

革絞りだけのカタチ。日本の職人が仕上げました。

革の立体成型による、この美しいフォルムは、革しぼりでしか絶対につくることができません。丸みを帯びた曲線形状にすることで、手に馴染みやすく、ポケットからの出し入れがスムーズになります。また、ファスナーテープの角がカバーされるので、ダメージを受けにくくなる、という効果もあります。一方で、立体的なカタチは縫製が難しく、組み立ての際に高い技術が必要となります。colmの革小物は、すべてメイドインジャパン。日本の熟練職人の手によって、ひとつひとつ丁寧に仕上げられています。

兵庫県龍野生まれのナチュラルなヌメ革

兵庫県たつの市のタンナーでつくられた、植物タンニンなめしの牛革を使用しています。いわゆるヌメ革と呼ばれる、この素材が採用されたのは可塑性に優れていることが理由のひとつではありますが、何と言っても革の魅力は、天然素材ならではのナチュラルな風合いです。革本来の表情（色ムラやシワ・小さなキズなど）をありのままに生かすことで、人工的な素材にはない自然な温かみを感じながら、時間を経るほどに色の深みと光沢を増していく、エイジング（経年変化）も楽しめます。

手に心地よく馴染む、立体成型の二つ折り財布。

革絞りの技法を用いて立体的に成型した、ラウンドファスナータイプの本革二つ折り財布です。コンパクトなサイズ感で、角丸に加工されているため、手にスッと心地好く馴染みます。デザインは、とてもシンプル。表側にはブランドの刻印さえなく、個性的なカタチと革の素朴な質感だけにフォーカスできるよう、余計な要素は極限まで削ぎ落されています。YKKファスナーのゴールドが全体を引き締める、モダンでスタイリッシュなレザーウォレットです。

適量をスマートに。スタンダードな収納

開いて、右側がボックスタイプの小銭入れ。左側には、縦入れのカードポケットが２つあります。札入れは、奥が幅広のポケット。手前はマチありで、予備の紙幣やレシートなどの保管に最適。さらに、ここにも２枚分のカード収納が付いています。容量は、二つ折り財布としては標準的。立体的な形状なので、たくさん入れてもパンパンになりにくいとは思いますが、適量をスマートに持ち歩くスタイルが似合うお財布です。