「ハルミさん、デカンター誌カラコノ前ロンドンニ招待サレタ時、スゴイワイン作ル人ト友達ニナッタケド、アイタイ？」

「エ、いいの？紹介してして！どんなワイン作ってるの！？」

その人こそ、ポルトガルのダンに居を構えるキンタ・ド・ペルディガンのホセさんご夫妻でした。

ホセさんはもともと建築家で、なんと日本が誇る世界の巨匠タダオ・アンドウのセミナーも受けた事があるそうです。ワインは建築、芸術と同じ仕事だとこちらに転身し、ダンのビセオの町のほど近くによい畑を求めました。

ダン河の右岸海抜３６５メートルの花崗岩の北から南に向く場所、これは風の抜けていく道なりの乾燥と最高の日照量とを約束してくれる位置なのだそうです。除草剤は一切使わず、農法はレゾネ・カルチュラル、随所に厳しい規格を施しワインを作っているそうです。

しっかり風とお日様を当てて糖度が上がった最高のブドウは、決して酸化することがないよう、細心の注意を払って１８ｋｇ入りの小さなバスケットで丁寧に手摘みされ、その後冷えたセラー内に運ばれしっかり選果されます。

その後、果皮浸漬され色素を十二分に抽出しつつ、２８度という比較的低温で果実のフレッシュさを守られながらワインへと姿を変えていきます。

仕上げは、やはり、セガン・モロー、トヌリエなどアリエ産の最高級フレンチオークの中で、より美しさに磨きをかけるのです。

ホセさんのワインは１００％ポルトガルの地場品種、純血種の赤です。２００３ＤＯレセルヴァと同じく２００３トゥリガナショナルをいただいたのですが、まずそのパワフルマッチョにびっくり！

樽がしっかりかかっていて、これはフレンチオークの新樽か！？強くて真っすぐ上がってくる樽の香りに負けじとばかり、ブロックの塊になったような果実味がバ～～ンと攻めてきます。

これに比べると他のシンデレラワインが弱く感じられるくらいものすごくパワーがあって、久しぶりの大物のパンチ炸裂です。

すごいなぁ、まだまだ荒削りだけど、今はこの野性味すらもとっても魅力的で、これは必ずファンが付く！とすぐ分かりました。

ポルトガルって、なんとなくスペインの親戚感覚で、私が知ってるあのなよなよとしたフルーティなだけのワイン達とは全く違っていました。

これからはポルトガルも見逃せない国かも知れない、そう感じさせます。あくまでもホセさんはポルトガルの地場品種に強くこだわっています。しかし、これほど果実味が強く濃ければ、その気持ちも納得です。

トゥリガナショナル種は、バローロのような細やかで強いタンニン分やしっかりした酸味、それでいてシラーのような豊かな濃い色あいとよく鍛えられた肉付きのよさがあるのです。すごいなぁ、これは想像を超える逸品だ、さすがエリさん！！

全ての行程をかぎりなく自然に近く。ホセさんのその思いと愛情がギュッと詰められたレセルヴァとトゥリガナショナルは見る見る間に、金銀のメダルで飾られました。

今回入荷の２００３年ものには、レセルヴァがデカンター誌からワールドベストワイン部門で銀賞を、そしてトゥリガナショナルは、栄えあるトロフィーと金賞を受賞しています。これまでのダンワインのコンクールでも常にベスト蔵に選ばれています。

ポルトガルでも世界の最高品質の名誉に輝くワインが生まれた！その証明がこのペルディガンです。

恐るべし、トゥリガナショナル種。６月からはや半年、やっと分けてもらえることになったスーパーポルトギーズ、ぜひチャレンジください！！