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シャトー・ラグランジュの歴史は中世にまで溯る。当時「ラグランジュ・モンテイユの高貴な館」と呼ばれており、領地の一部はボルドー聖堂騎士団に所属していた。1842年から1875年にかけて、シャトー・ラグランジュは、第一期の黄金時代を迎える。当時の所有者は、ルイ・フィリップ朝の元内務大臣デュシャテル伯爵で、この時代にグランクリュの第3級に選定されている。その後、経済的な困窮による「暗黒時代」が訪れたが、1983年12月、サントリーが購入し、佐治敬三社長と鳥井信一郎副社長（当時）の号令の下に巨額な投資を行うとともに、ワイン生産・経営陣にマルセル・デュカス、鈴田健二を任命、畑から醸造・貯蔵設備にいたる徹底的な再構築を断行した。その努力により、現在シャトーは、目をみはるような復興を成し遂げている。 シャトーの敷地は、AOCサンジュリアン内に地続きでひとつにまとまり、総面積は157ヘクタール。そのうち畑は114ヘクタール（赤100ヘクタール、白4ヘクタール）あり、ギュンツ土層由来の砂礫土壌からなるふたつの小丘に広がっている。栽培されている葡萄品種の割合は、カベルネ・ソーヴィニヨン種65％、メルロ種28％、プティ・ヴェルド種7％。 ル・クラスマンはシャトー・ラグランジュについて「特筆に値する厳格なセレクションによってシャトー・ラグランジュは堅牢で色が濃く、古典的なメドックのタンニンを持つ、実に安定したワインを産出している。」 として★★付高評価しています。 日本の大企業であるサントリーに買収されたのは1983年だが、同社はシャトーとシェ（ワイン蔵）だけでなく、畑にも並はずれた改良を加え始めた。出資はいっさい惜しまなかったため、管理を行うマルセル・デュカスや、このシャトーの若くて熱心なエノロジストである鈴田健二といった有能な人々が、びっくりするほど短期間のうちにすばらしいワインをつくるようになった。 ワインの品質が向上しただけでなく、ラグランジュはいまや、静かな庭や、白鳥やカモが集う湖がある美しいシャトーとなったのである。 1985年以降のヴィンテージに何か特別なスタイルが見られるとしたら、印象的な風味の深みと密着したたっぷりのタンニン、香ばしい新樽、下地となる多汁性とふくよかさだろう。厳しい選別と、シュルマテュリテ（ブドウが過熟すること）の要素を持つ非常に熟したブドウを収穫しているおかげであるのは間違いない。明らかにこの新しい当主は20年強も熟成できるのに若いうちから魅力のあるワインをつくろうとしているようだ。 世界のマスコミは、メンツェロプロス家によるシャトー・マルゴーの並はずれた方向転換を喝采してきたが、1990年には『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が手本とすべき成功例として取り上げていたことには驚かされたものの、シャトー・ラグランジュにおける変化についてはあまり書いてこなかった。それでも今なお、このワインの価格は、向上してきた品質レベルにしてはかなり低く抑えられている。 1960年代、1970年代には凡庸なワインをつくっていたが、日本のサントリーに買収されてからは目覚しくよくなった。現在の格付けに見合う価値があるが、サン＝ジュリアンの他の有名シャトーと比べるとまだ知名度が低いため、それなりの良好なお値打ち品となっている。 ロバート・パーカー	シャトー・ラグランジュ 2008年 厳選したキュヴェで造られるこのファースト。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン72％、メルロー26％、プティ・ヴェルド2％。 The spring is marked by important rainfall and cooler temperatures than usual. The morning frost of April 7th caused some flower shatter on some plots. The month of July is hot and dry, but never over-hot. Cool temperatures and rainfall come back again in August.The Bordeaux miracle happened again from september 15th onwards. the hot days allowed thus ripening, drying the bunches and avoiding botrytis or sunburn. The nights were cool, finishing off the ripening of the polyphenols.The exceptional sunshine destroyed any molecules potentially responsible for a vegetal taste in the wine.Despite forecasts of low yields, about 25 hectares were thinned out in July. Thanks to all this painstaking work, the vines were all evened out and the grapes could ripen beautifully for the harvest.The harvest dates were probably the lattest chateau lagrange ever experienced: from October 6th to the 22nd . There was a deliberate new choice to wait for the optimum picking date. The investment in new vats allows a separate vinification of certain plots whose potential was not hitherto exploited to the full , through lack of small capacity vats.The estate has continued the technique of co ?inoculation allowing to conduct the alcoholic and malolactic fermentations simultaneously. This offers the advantage of economizing considerable amounts of heating energy and reducing the risk of Brettanomyces in the wine.The blending: 2008 is a vintage where the Cabernet Sauvignon dominates mostly to the detriment of the Petit Verdot . Global warming, thinning out and vine-care techniques are few of the numerous and complex reasons for this. The blending consists of 72% CS, 26% merlot and 2% Petit Verdot. The dark ruby/purple-hued 2008 reveals an angular, austere personality along with medium to full-bodied, deep, concentrated fruit.An unusually backward and highly tannic 2008, it will benefit from 3-4 years of cellaring and should keep for 20 years.It is a very good wine, but it is not pleasant to drink at present.