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デュルフォール・ヴィヴァンの窓から外を覗くと、ジロンド川の手前にシャトー・マルゴーの畑が広がっている。そしてその畑と幹線道路D2の間に、シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンの畑が見える。 カベルネ・ソーヴィニヨンこそがマルゴーの真髄であり、この品種にふさわしい優れた砂利質の畑を所有しているか否かで、ワインの基本的な格は決まる。そしてシャトー・デュルフォール・ヴィヴァンが造るワインは、シャトー・マルゴーとシャトー・フェリエールに並び、この品種を80％と最も多く含むワインである。 昔はその意味がよく理解されていた。たとえば後のアメリカ大統領トーマス・ジェファーソン。彼は1775年にボルドーを訪れた時に記したテイスティング・ノートで、デュルフォール・ヴィヴァンを、ラフィット、オー・ブリオン、マルゴーに続いて登場させ、1787年の格付けの中で二級の地位を与えた。1844年のデュルフォール・ヴィヴァンは、マルゴー二級のどのワインよりも高価格で取引された。そして1855年の格付でも、二級という正当な位置を確保した。 しかし現在デュルフォール・ヴィヴァンは不人気だ。オーナーであるゴンザーグ・リュルトンは嘆く。「ダメだと言う人に、では何年前にデュルフォール・ヴィヴァンを飲んだのですか、と尋ねると、誰も答えられない。皆、イメージだけで物を言っているのです。」 デュルフォール・ヴィヴァンは昔から凝縮して、堅牢なワインだ。1868年の著述には、「マルゴー格付けワインの特権である精妙なフィネスの他に、デュルフォール・ヴィヴァンは美しい色調と長期熟成能力が特徴」とある。その本質は、畑が変わることがない以上、変わっていない。 だが現在のボルドーを支配するのはメルロが大好きな世間の味覚である。本当の優美さとメルロ品種がもたらす甘くソフトな風味と区別できず、タンニンと酸が最初から柔らかいことを絶対条件にするよな味覚である。即物的なおいしさを要求し、ワインの背後にあるメッセージを読み取ろうとしない。尊大な自己肯定と醜悪な快楽主義をよしとする風潮である。 ゴンザーグの嘆きは続く。「私のワインはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、マルゴーの中でも最もシャトー・マルゴーに似ていると思います。マルゴーはおいしいと言われ、私のはまずいと言われる。イメージで飲んでいるからですよ。シャトー・マルゴーがまずいと言うわけにはいかないからですよ。」 しかしそんな問題もいずれ解決する。ゴンザーグがこのシャトーを引き継いだ1995年からの品質向上は著しい。新しい醸造所が完成した2002年以降はさらに凄い。最新のデュルフォール・ヴィヴァンは、誰をも納得させられる、本物のマルゴーである。	シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンス 1994年 シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンは、現在の所有者リュルトン家が取得するまではCH・マルゴーに所有され、CH・マルゴーやパヴィヨン・ルージュの一部として売られていたシャトー。そのため2級格付ながら、長らくワインとして存在していませんでした。知名度がないため市場での取引価格はリーズナブルですが、マルゴーらしいエレガントなスタイルの高品質なワインを生産する素晴らしいシャトーです。 シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンについてヒュー・ジョンソン氏は、「比較的小さな第2級格付けで改善されつつある。ゴンザク・リュルトンが所有。最近のワインは構成のしっかりした（カベルネ・ソーヴィニヨンの割合が多い）卓越したもの！」とし三ツ星星評価をしています。