サンテミリオンでずば抜けた成績

シャトー・カノン・ラ・ガフリエールについてロバート・パーカー氏は、ステファン・フォン・ネッペールの相当な情熱と、構想と、品質への肩入れによって運営される、卓越したサン＝テミリオンのシャトーの１つである。所有者の甚大な努力のおかげで、このシャトーは1988年以来ずっとサンテミリオンでずば抜けた成績を上げている。出来る限りすばらしいワインをつくるためには金は惜しまないため、カノン＝ラ＝ガフリエールは最高品質を目指す所有者が手塩にかけて育てたシャトーとなっている。ボルドー全体とまでは言わないままでも、サン＝テミリオンの輝かしいスターの１つであり、多くのシャトーの手本となってきた。この豪奢なワインはその品質からすればリーズナブルな価格で売られいる。

ガフリエールほど目覚しく改善されたシャトーはほかにないであろう

コート・サン＝テミリオンの１つ、カノン＝ラ＝ガフリエールのブドウ畑は、丘陵のふもとの平坦な砂礫質の土壌にある。ここは20年以上にわたって広く宣伝され、軽く、個性のない、凡庸なワインを驚くほど高い値段で売っていた。しかし、1985年に若く、才気溢れるステファン・フォン・ネッペールが責任者となって以来、こうした状況は劇的に変化した。事実、サン＝テミリオンでカノン＝ラ＝ガフリエールほど目覚しく改善されたシャトーはほかにないであろう。

このアペラシオンのスター的存在

このシャトーの近年の成功をもたらした変化としては、ブドウを最大限に熟させるために遅く収穫すること、貧弱な出来のものをセカンド・ワインに回すこと、樽内でのマロラクティック発酵、ミクロ・ビュラージュ、収量を極めて低くすること、澱に接触させたまま熟成させること、そして100％のオーク新樽で14～16ヵ月寝かせたあと、清澄処理もせずに瓶詰めすることなどがある。その結果、サンテミリオンで最も豪勢で、際立ったワインがいくつも生み出された。ここは明らかに、このアペラシオンのスター的存在であり、それは1980年代後半以降のヴィンテージが見事に証明している。

現在、絶頂にあるといえる

ル・クラスマン誌は、この10年でステファン・フォン・ネイペルグ伯爵は、進歩した現代醸造学を駆使して1950年代に誇っていたステータスを回復した。丘陵すそ野の暑くて植物を早く完熟させる土壌は、感嘆するほどカベルネ・フランの栽培に向いており、ワインはフィネスがあって高貴なタンニンを含んだものとなる。品質を高めるために量の一部を犠牲にして造るワインは並外れた凝縮感があり、最近のヴィンテージでは技術的手段を講じていない。クリュは高貴なアロマのニュアンスに溢れ、品質はプルミエ・グラン・クリュの域に達している。現在、絶頂にあるといえる。

メルロ55％にカベルネ・フラン35％、カベルネ・ソーヴィニヨン10％を24hl/haの低収量。新樽90％で17ヶ月熟成。