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サン＝ジュリアンとマルゴーのほぼ中間に位置するキュサック村にあるぶどう園は、他の多くのオー・メドックのシャトーと異なりジロンド川からわずか2キロメートルほどの小高い丘状地にある。ポワトゥ家が運営する32ヘクタールの畑に植えられているのはカベルネ・ソーヴィニヨン種が半分、それにメルロ種の45パーセントと残りがプティ・ヴェルド種という割合。それらはヘクタールあたり1万本という強い密植がなされ、収量に関してはヴァンダンジュ・ヴェールトをおこない厳しく抑制、加えて収穫の4週間前にはキャノピー・マネージメントを附し、ぶどう果のヴェレゾンを促進させている。発酵はコンクリートのタンクで34～35度という高温でおこない、新樽の比率は30パーセント、熟成期間は12～15ヵ月間で、平均の生産量は2万ケースほど。 出来上がるワインはプラムやベリー等の風味を感じさせる凝縮感に富んだ筋肉質のクラレットで、その完成度の高い味わいはまさにお値打ち。若いうちはその果実味と柔らかなタンニンを、そして年数を重ねてからは繊細さの加わるエレガントな味わいと、愉しみ方を選ばない。確かにヴィンテージ毎の差異があるとはいえ、生み出すワインの質は常にある一定レベルを保っており、シャトーの並々ならぬ力量が窺える。 2003年6月、メドックでは70年以上ぶりにクリュ・ブルジョワの見直しがおこなわれた。現在クリュ・ブルジョワを名乗る400以上のシャトーに加えその他500近い生産者が申請をしたが、新たにクリュ・ブルジョワを名乗ることができたのは半数以下の247シャトー。その6割以上はただのクリュ・ブルジョワで、トゥール・デュ・オー=ムーランは87シャトーが選ばれた、1ランク上のクリュ・ブルジョワ・シューペリュールに格付けされたが、その酒質を考えると大いに合点がゆく結果であった。かのロバート・パーカーもシャス=スプリーン、ソシアンド=マレ等と同じく、トゥール・デュ・オー=ムーランを最上のクリュ・ブルジョワに選び、その酒質はクリュ・クラッセの5級に匹敵する、と評しているほどなのだから。 ボルドーを、シャトーのネーム・ヴァリューに惑わされることなく、実質的に愉しみたい向きにはにまさにうってつけのワイン、それがシャトー・トゥール・デュ・オー=ムーランなのである。 ロバート・パーカー氏は、「この秀逸なブルジョワ級のシャトーはキュサックの近くにあり、シャトー・ラマルクのちょうど北に位置する。所有者リオネル・ポワトゥは間違いなく、ブルジョワ級のなかで最も凝縮され、最も強い味わいのあるワインの1つをつくっている。彼は、発酵温度を危険なまでに高い34℃～35℃に引き上げることをいとわず、また1ヵ月近くという長いキュヴェゾンを好む。さらに、1haあたり1万本という密植された畑で収量を控えめに抑えているため、最高のヴィンテージには印象的な深いルビー色から紫色で、見事な深みと凝縮感のあるワインが生産される。最高のブルジョワ級シャトーの1つであることは間違いない。実際、ブラインド・テイスティングでは、いくつかの格付けワインをしのぐと思われる」と大絶賛！ ボルドー第4版にて、メドック、オー・メドックの中で、消費者による格付けでシャス・スプリーンやラネッサン、モーカイユーなどと並び、秀逸ワインに選ばれています。	シャンパーニュ ダニエル・サヴァール ブリュット レゼルヴ プルミエ・クリュ ブルジョワ級のシャトーのなかでも最も凝縮感と強い味わいのあるワインの一つといえるのではないでしょうか。なぜなら収量を抑え、34～35度という高温での発酵、約1ヶ月続くキュヴェゾン（発酵～マセラシオン）といった抽出にこだわった造り方をしているからです。しかしこれが熟成の醍醐味。1時間経った頃劇的な変化が！最初に主張していたタンニンや果実味が嘘のように溶け合いまろやかで落ち着いた味わいに。ぜひ時間をかけて味わってほしい一本です。