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このドメーヌは、現当主のジスレイヌ・バルト女史の祖父にあたるマルセル・ノエラ氏が、1925年に設立。1950年にノエラ氏の娘、マドレーヌ・エレーナ女史（ジスレイヌ女史の母）とガストン・バルト氏（同父）が結婚して、ドメーヌはより発展します。ジスレイヌ女史は、ディジョン大学でツーリズムを勉強し、80年に親許に戻りました。そしてボーヌの農業学校で栽培・醸造を学んだ後、86年から父、ガストン氏の許でワイン造りを始めました。1999年からは完全に自身一人で栽培・醸造を行っています。 畑は、6.5 ha。完熟した葡萄は収量を抑えて厳選して収穫され、これ以上ないと思われる程、整理整頓され清潔な醸造所・セラーでゆっくり丁寧に醗酵されます。樽熟は、新樽20～35％で、樽熟後すぐに澱引きをして大きな澱を取り除き、再度澱を戻して16～20ヶ月熟成させます。 最適な濃縮感、しっかりした骨格、パーフェクトなバランスのボディのあるワイン。フランス各地の三ツ星レストランで取り扱われているシャンボール村屈指のドメーヌです。 昼時にシャンボール・ミュジニーの村役場で調べ物をしていると、子供たちの声がする。小学生の下校時だ。親たちが迎えにきている。「あらルーミエさん、こんにちは」、「アミオさん、先日はどうも」。人口315人の小さい村のこと、どこかで見た顔が集まっている。その中でひときわ元気そうなお母さんが息子を連れている。ギスレーン・バルトさんだ。 「昔は女性がドメーヌを継ぐことはできなかったから、父は私にワイン造りを勧めませんでした。祖父は絶対に祖母をカーヴに入れなかったくらいですしね。汚れ仕事は女性が文句も言わずにやってきたこととはいえ、男は醸造、女は栽培、というのがブルゴーニュの伝統です。だから私はディジョン大学に行ってツーリズムを勉強しました。あちこち旅行してみたかったんです。今は忙しくて旅行どころじゃないですけどね。でもディジョンみたいな大都会には馴染めませんでした。父親は体調を崩し、長年勤めてきた従業員は辞めてしまうというドメーヌにとって大変な1980年に親元に帰り、父と一緒に働かせてくれ、と頼みました。妹がひとりいるのでカーヴで遊んでいて、父には、あとのことは心配しなくていいよ。私がトラクターを運転してあげるから、と言ってたんですよ。」 それからボーヌのリセ・ヴィティコールでワインを学んだ彼女は、86年にドメーヌを継ぐ。「それからも父は休むことなく、今年の気候はこうだ、とか、この時期にはこれをしなさい、といった、父の学んできた経験をずっと私に教えてくれたんです。でもその父も99年の8月に亡くなってしまいました。だから樽に入っている99年ものは、私がひとりで造った初めてのワインなのです。」 その99年は傑作である。揺るぎなき尊厳と、自然な強さと、寄り添う優しさの、まれに見る結合。ブルゴーニュのレストランでも、パリのショップでも、バルトの99年の出来が話題になっているのを耳にした。 「こうしてカーヴの中にいると子供の頃の祖父や祖母の姿が思い出されて、うれしいのですよ。そしてわたしの両親も今でもそばにいるような気がして。ブルゴーニュのよいところは、ドメーヌを家族で守っていくという誇りなんです。」 「シャンボールはコート・ド・ニュイで最も女性的。そして女性的とは複雑でレース編みのようで、空気のように軽やかということ」。 オーナー自ら「肉付きがよい」と自信をみせる人気一級畑！！ パーカーポイント88～89点！ステファン・タンザーIWCで88点！！アラン・メドゥのバーガウンド・ドット・コムで驚異の91点！