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ヴォルネー村の丘の斜面にあるこの美しいワイナリーは、歴史上非常に重要な場所である。1804年、メニル男爵は「ヴォレネー」（クロ・デ・デュックの周辺"Vollenay"）にあった畑の区画をいくつか集めてワイナリーをつくった。ここは、12世紀にはブルゴーニュ公爵が所有する有名な畑の一部であった。フィロキセラ禍の後、メニル男爵の曾孫であるダンジェルヴィーユ侯爵は、ヴォルネーの彼の所有地を選び抜かれたピノ・ノワールに植え替えることに打ち込んだ。彼は、ドメーヌ元詰めと直接販売を熱心に促進し、ブルゴーニュでのワインの品質と元詰めに関する彼の影響力は非常に大きい。 マルキ・ダンジェルヴィーユの今は亡き当主ジャックは、まぎれもなくブルゴーニュで最も優れた生産者のひとりであった。チャーミングで、繊細で、知的でもあった彼は、この地域の名士のひとりだった。彼の息子は、父親が1930年代や1940年にブルゴーニュで行なわれていた不正に立ち向かったために、村八分になるのを見ていた。この時にアぺラシオンの法律を遵守することにこだわったこと、そしてピノ・ノワールの最上のクローンのみを植えた姿勢は、現在も受け継がれている。 すべての畑は南東に面し、泥灰質の石灰岩の土壌に位置している。岩の多い土壌は太陽の熱を抱え込み、その熱をブドウの実にはね返して、熟成を早める。斜面はしばしばかなりの急勾配で、これによって適切な水はけが確実になっている。 現在このドメーヌには15ヘクタールのブドウ畑があり、最上の区画は単独所有畑のヴォルネー・クロ・デ・デュックである。ヴォルネー・タイユピエとヴォルネー・シャンパンについても、私は幸運に恵まれた。これらのワインは通常、軽い、繊細なスタイルでつくられ、私はヴィンテージによっては豊かさや肉づきが足りないと思うことがあった。1970年代後半や1980年代前半には、清澄と濾過をしすぎていたのだ。しかし、1980年代後半以降のヴィンテージは一貫して卓越したワインを生み出しており、レースのような繊細さやフィネスを失うことなしに、よりしっかりした舌触りや強烈さを持ったワインとなっている。ダンジェルヴィーユは、ほとんどのヴィンテージにおいて、5～6年は瓶熟させる必要があり、偉大なヴィンテージではそれからさらに数年を要する。ワインは通常つくられてから10～12年でピークを迎え、20年かそれ以上持ちこたえる。 以上ロバート・パーカー氏のコメントより	ヴォルネイ プルミエ・クリュ “クロ・デ・デュック” モノポール 2006年 ドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィル クロ・デ・デュックはこのドメーヌが単独所有する、2.15haのモノポール畑。色合いが美しく、エレガントで色々な要素が感じられ、複雑でボリュームのあるワインです。 マルキ・ダンジェルヴィルのヴォルネについてマット・クレイマー氏は、ダンジェルヴィルのワインは、私を含めヴォルネを愛する人にとって、ヴォルネの本質と、あるべき姿そのものといってよい。繊細でかぐわしく、あふれる気品をただよわせながら、長命をささえる骨組みも持っている。クロ・デ・デュクは、その名称がしめすとおり、この石垣に囲まれた2.145haの畑はいにしえの公爵領で、いまではドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィルが単独所有する。ヴォルネのきつい斜面の高いところにある畑は、土壌のチョーク質がきわめて強く、そのさらに上の斜面から流出した土石が大量にたまった結果、ワインはヴォルネの水準からみてもただならぬ気品をたたえ、かぐわしさも比類がない。クロ・デ・デュクを最上とするヴォルネ党は多く、畑の由緒もワインのすばらしさも、グラン・クリュにふさわしいと彼らは言う。