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このドメーヌの歴史は17世紀までにさかのぼる。当主のレミ・ジョバール氏は1992年からドメーヌの実質的運営を任せれてきたが、1998年に父親のシャルル・ジョバールが完全に引退したことに伴って、レミ氏のラベルでワインを生産することになった。 彼のポリシーは、あくまで自然に忠実であること。最近ではあらゆる生産者がテロワールや自然という事を主張しているが、彼ほど自然に対して敬意を払う生産者はブルゴーニュ中探しても見当たらないだろう。栽培面積は合計7ha（ピノノワール2ha、シャルドネ4ha、アリゴテ1ha）。栽培におりてはテロワールを生かすべく化学肥料などを使用しないことは当然のこと、テロワールを遺憾なく表現する為に、葡萄果にカビなど付かぬよう、徹底した畑の手入れや管理を行っている。 醸造においても、非常に自然を尊重している。例えば、醗酵を自然に任せて人工的な手を加えない、フィルターを使用しないためにアッサンブラージュ後に6ヶ月間も澱がタンクに沈むのを待つ、などの彼の自然なワイン造りに対するこだわりは数え上げればきりがない。そこまでこだわる理由はと聞けば、「全てはうまいワインの為に」とのみシンプルな答えが返ってくる謙虚な人物である。醸造は木樽醗酵。新樽比率20％で、12ヶ月の樽熟成後にステンレスタンクにてアッサンブラージュを行い、その後、軽い清澄作業を行って、ノンフィルターで瓶詰する。 ロバート・パーカー氏はレミ・ジョバールについて、フランソワ・ピエールとジャン・ピエール(ルイ・ラトゥールの醸造責任者)の兄弟であるシャルル・ジョバールは、このドメーヌを引退し、現在は、非常に才能溢れる息子のレミに完全に管理を任せている。ドメーヌ・コシュ・ドゥリのジャン・フランソワ・コシュによれば、ムルソーの未来のスターの一人、レミ・ジョバールは、明朗で、内気で、　好奇心旺盛、献身的で、しかも仕事熱心な人物であるという。しかし、ジョバールのワインを試飲したあと、私はコシュが間違っていると確信した。ジョバールはすでにスターなのである。 マット・クレイマー氏は、フランソワ・ジョバールの地味なことといったら、ふたり並べるとジャン・フランソワ・コシュでさえ大道芸人に見えかねないほどである。ただ、礼賛者の多さと高騰する値段はいかんともしがたい。ともあれジョバールのムルソーは桁外れだが、ごく若いうちはひとをまごつかせるところもある。それほど強くて濃いせいで、同じ畑のほかのワインを飲んでも別物としか思えず、5年経って弱るものも出てくる頃、ようやく花開きはじめる。ポリュゾ、ジュヌヴリエール、シャルムなどのえりぬきの畑をもち、またムルソー・ブラニのラ・ピエス・スー・ル・ボワは、この畑の模範的作品である。 レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス誌で三ツ星を獲得しているムルソーの本拠の生産者はドーヴネとコシュ・デュリなどわずかに3社である。それに次ぐ二ツ星の生産者としてレミ・ジョバールは評価されており、ムルソーのトップドメーヌと言っても過言ではない。上述の2社が非常に高値で取引されていることを考えると、レミ・ジョバールのワインは良心的な範囲の価格と言える 「繊細は醸造家、レミ・ジョバールはムルソーでも滑らかな粘性と軽やかさを持ったワインをリリースする醸造家である。村名クラスのキュヴェは他のクリュと比べてもオススメできるアイテム」※掲載文の一部訳	ムルソー “スー・ラ・ヴェル” 2009年 ドメーヌ・レミ・ジョバール レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス誌でもオススメとされている村名クラス。ムルソーらしいふくよかさがありながらも、緻密な果実味があり、そのバランス感が素晴らしいです。程よい樽感（本当に程よい）と蜜を想わせる香り。柔らかくみずみずしく口中に広がる。美しく、クリアーな果実味。バランス◎。 2009年ヴィンテージについてレミ・ジョバール氏は、「純粋・ピュア・エレガントなワイン」がコンセプト。全ての仕事はコンセプトに向かうために行っているんだ。09年は近くの生産者より4・5日早めに収穫を始めたんだ。優良年の恩恵と、エレガントさを併せ持った最高の仕上がりだよ。」