プイィ・フュイッセでドメーヌを営む両親の元に生まれたオリヴィエ・ジルー。自分の意図したワインを自分の力で作ってみたかったオリヴィエにとって、じっと両親の引退を待つなど言語道断。学校卒業後ローヌ南部でオーストラリア人とパートナーを組みドメーヌとしてワインを造っていたが、5世紀に渡りベルナール家が切り盛りしていたプイィ・ロッシェのドメーヌ・サンフィリペールが売りに出されるのを聞きつけ、生まれ育った地に戻ってくる。蔵を中心に7.5haがほぼ単一区画で広がるという条件は、これを見逃したら、次回いつお目にかかるか分からない条件だった。実質的初ヴィンテージは2002。「この極少無名アペラシオンをドメーヌ・デュ・クロ・デ・ロックの名で世に知らしめたい」という大志は、決して雄弁とはいえない口から漏れるものだけにその本気さが感じられるものだった。様々な困難を乗り越えつつ、10年後には有言実行され、今ではDomaine de laSOufrandiereのブレット兄弟と共にマコンの若手の頭角と位置付けられる。

2ヴィンテージ目でアシェット・ガイド ク・ド・クール獲得、パリコンクールで数々の金メダル受賞など、2015年にはワインのセレクションで名高い一般紙Le Pointoが毎年行う秋のワイン特集号で表紙を飾るに到る。

プイィ・フュイッセ レ・ピエロー 2014年 ドメーヌ・クロ・デ・ロック

プイィ・フュイッセの中で最も力があると言われる1.5haのモノポール畑レピエロー。2015年からエコセール認証の自然派ビオディナミ畑。粘土石灰質（アルジロ・カルケール：粘土は表面の30cmくらいで、根は石灰岩の中に深く伸びる）土壌。樹齢75年のシャルドネ。プレス後8度でデブルバージュ。樽発酵＆樽熟成で228L樽＆500L樽で11ヶ月熟成。

透明感のある溢れるゴールデンカラー。オレンジや白桃などの香りにハーブやミネラル、蜂蜜、バニラなどの複雑なアロマ。濃縮感のある果実味は、オイリーで生クリームやハーブなどのニュアンス。直感ではコルトン・シャルルマーニュを感じさせる重厚さと酸とミネラルの切れ、フレッシュさを感じさせます。