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コトー・デュ・ヴァントゥに君臨する二大巨頭、シャトー・ペスキエとフォンドレシュのあいだに彗星のごとく誕生した造り手がある。それが、ドメーヌ・ヴァンデミオだ。2006年に設立された新興ドメーヌだが、2007ヴィンテージのワインが、いきなりパーカー・ポイント93点と91点を獲得。しかも、重鎮ペスキエとフォンドレシュを押さえ、見事、アペラションの歴代最高得点を獲得したのである。 ドメーヌの当主ジャン・マロは、元々薬剤師であったが、ドメーヌ・ユエのワインを味わってバイオダイナミック農法によるワイン造りに開眼した。マルセル・ラピエール、クロ・デュ・カイユ、ロシニョール・トラペ、レイモン・ブラール、ベレッシュなどから絶大な信頼を受けるカリスマ・コンサルタント、ジャック・メルの教示を受けて、バイオダイナミック農法を実践している。また、2010ヴィンテージから厳格なデメテールの認証を受けることも決定しているほどの並外れた情熱的なドメーヌだ。 そのこだわりは、ワインの名前にも現われ、再生や回復を意味する「リゲイン」、ジョン・レノンの名曲にインスパイアされた「イマジン」、そしてモーツァルトのミドル・ネーム「アマデウス」の名前を関した3つのキュヴェが誕生したのである。その味わいを一言で表現するならば、「濃厚でモダン」。パーカー・ポイントに明確に実証する絶品の仕上がりで、きっと、この日本を、そして24時間戦う皆さんを元気にしてくれるに違いありません！ ドメーヌ・ヴァンデミオは、2006年にジャン・マロと息子のギョーム、そして彼の5人の友人の出資によって創設された。ヴァントゥ山の麓に位置するモルモワロン、ヴィル・シュール・オーゾンのコミューンに点在する14の区画で、トータル13ヘクタールの畑を所有している。畑は、粘土石灰性の砂利、黄土砂質、灰色粘土の土壌。畑仕事に1人従業員がいるほかは、栽培から醸造にいたるまで、すべてジャン・マロが担当している。22歳の息子のギョームは、高校卒業後、英語を学ぶためにダブリンのいくつかのレストランで3年間働き、現在は、シュズ＝ラ＝ルッスの大学でワインを学んでいるが、1年のうち半年ほどはドメーヌで働いている。また、収穫時には10人前後の摘み取り人を雇っている。ドメーヌ・ヴァンデミオの初ヴィンテージは2006ヴィンテージ。 ドメーヌ名であるヴァンデミオとは、ラテン語で「私は収穫する」という意味。「ブドウの質はワインの品質にとって最も重要な要素であること。収穫は 1年で最も大切な瞬間であること。そして収穫日の決定がワインの将来を決定付けるということ。」　この思いをワインを味わう人たちに伝えるためにヴァンデミオと命名された。 ドメーヌ・ヴァンデミオは、同じヴァントゥで有機栽培を実践している13人の造り手とともに、ビオ・ヴァントゥという小さな団体を結成している。加盟している造り手は皆、モン・ヴァントゥ（ヴァントゥ山）のテロワールと情熱、ワイン、哲学、有機栽培といった共通点を持っている。この団体の哲学は、環境を遵守した持続的農業。「子供たちに、生産性のみを追及した化学肥料に汚染された土壌ではなく、生きた土壌を伝えたい。大切なことは生産性ではなく、質であり、自然の尊重であり、健康である・・・」という思いを伝えるために活動をしている。	イマジン 2007年 ドメーヌ・ヴァンデミオ “イマジン”は、ワインを味わうことが多くの想像を掻き立ててくれることまた、造り手は自身のワインがどうなるかを常に想像していることそして、ジャン・マロがジョン・レノンを好きであることから命名されました。 平均樹齢20-30年のブドウを手摘みで収穫。100％除梗し、4-5日間低温マセレーションを施す。その後、野生酵母のみでコンクリート・タンクでアルコール発酵を行う。発酵温度は25-30度で10-15日間。この間、1日1回のデレスタージュを行う。発酵終了後も約15日間の果皮浸漬を施す。発酵期間を含むトータルのキュヴェゾンの期間は28日間。その後、発酵槽から引き抜き、空気圧圧搾機で圧搾を行う。引き続きコンクリート・タンクで、シュール・リーの状態でマロラクティック発酵と熟成。熟成期間は6ヶ月。この間、2-3回の澱引き。瓶詰めは春分の日の後のバイオダイナミック・カレンダーの「実の日」に行う。清澄は行わず、ごく軽く濾過の後、瓶詰め。 果物や香辛料、皮などを思わせる複雑な香り。豊満で、とても余韻の長い味わい。プロヴァンス風の仔羊肉のドーブや野菜のファルシィ、若鶏の甘辛いスパイス風味などの料理と良く合うでしょう。 2007年のコトー・デュ・ヴァントゥ“イマジン”は、グルナッシュ50％とシラー50％のブレンドで、ともにコンクリート・タンクで熟成された。不透明な ルビー/紫色をしており、ブラックベリーやカンゾウ、スモーク、土の香りを発散する。フル・ボディの美しい質感と官能的な口当たりで、フィニッシュは長 く、そして激しい。今後3-4年の間に飲むのが一番良いだろう。91点。（ワイン・アドヴォケイト185号の掲載コメント）