イヴ・ガングロフは30年前にアルザスからコンドリューにやってきました。芸術家である彼の兄弟が、ギガルに買い取られる前のシャトー・ダンピュイで住み込みで仕事をしており、こっちには仕事があると彼に教えたのです。彼は現在の奥様のマチルダに出会い、仕事を見つけ（最初はドゥラ）、ここに残ることにしました。少しずつ小さな畑を買ったり借りたりしながら、1990年半ばに彼の初めてのワインをリリースしました。現在では、彼のワインの見事なクオリティとスタイル、そして本当に少ない生産量のために、彼はこの地方の、もといフランスのスーパースターの一人となっています。

ガングロフはコンドリューの生産者で、醸造所と家族の自宅はコート・ボネットのすぐ下にあり、ここにはシェリーの畑と共にブドウ畑を所有しています。コート・ロティでは、コンバール、モラール、ロジェに畑があります。全ての畑は急峻な斜面にあるため、全ての仕事は手作業で行わなければならず、ブドウ畑を管理するにはもの膨大な量の労働が要求されます。初夏、ブドウが枝が勢い良くのび、それをエシャラと呼ばれる支柱に結び止めなければならい時期には、ガングロフは収穫時よりも多い30人もの人と一緒に働かなければなりません。彼は全ての面において頑固で口うるさくもあり、非常に几帳面でもあります。

醸造所では、モダンな手法と伝統的な手法をミックスして用いています。除梗を行いますが、収穫した全てをそうするのではなく、ヴィンテージによって量は異なり、自然酵母を用い、できるだけ人工的なコントロールは避けています。白ワインの醸造は一部新樽で行い、熟成もオークの小樽で長期熟成させますが、その間ラッキングは行わず、必要最低限の酸化防止剤のみを使用し、新樽も使用します。しかしワインは決してオーキーになることも、押し付けがましくなることもありません。活力と個性に満ち、コート・ロティやコンドリューのクラシックな香りが溢れます。

コート・ロティ　ラ・バルバリン 2011年 ドメーヌ・マチルド・エ・イヴ・ガングロフ

アペラシオン内で最も純粋で表現力とアロマに溢れたワインの一つ。花崗岩の土壌から造った、ガングロフの若い方のキュヴェ。有機栽培でSO2の使用は最小限。新旧の300Lの樽で2年の熟成。

この優れたアペラシオンでも、これほどの純粋さとフィネスを持ったワインは少ない。カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー、ラズベリー、バラ、黒胡椒、スミレの魅惑的なアロマ。パレットでは、柔らかなタンニンがクリアな果実味と冷涼な酸を支える。凝縮した果実味ながら、アルコール度はわずか12.7%。

北ローヌの2012年は再び素晴らしい年となりました。ワインにはピュアな果実味がありバランスも良く、優しい酸味と角の無いタンニンがあります。ブドウの樹の健康のためにはよかった凍てつく冬の後、暑い天候から湿った涼しい天候へと変わった春と初夏は難しいものになりました。真夏は暑く乾燥しており、非常に良い状態での収穫が可能になりました。ワインは美味しく、飲み頃は早期?中期に飲むのがベストです。

テュパン、モラール、コンバールにあるコート・ロティ南部の地区の急峻な花崗岩土壌の斜面。花崗岩にちなんでつけられた「コート・ブロンド」と呼ばれる地区で、シスト土壌のコート・ブリュンに比べ、よりエレガントで軽やか、そしてより多くのフィネスを持ったワインになります。 樹齢は5?20年。 手摘みで収穫されました。

100％除梗。ステンレススティールタンクで自然酵母を用い発酵。SO2の使用量は極僅か。醸造期間はトータルで2週間で、その間ルモンタージュとピジャージュを行いました。新樽と2?4年のオークの小樽を用い22ヶ月熟成。 無濾過、無清澄でボトリング。