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ブルグイユ村の東、レスティニエ村に、1830年頃に創業したドメーヌです。1970年に、5代目のジャン・イヴ・ビエが継承しました。AOCブルグイユに合計19haの畑を所有し、カベルネ・フランを栽培していました。ジャン・イヴさんは後継者に恵まれなかったため、2008年がラストヴィンテージとなり、同年、ドメーヌは売却されました。以降、貯蔵しているバックヴィンテージを少しずつ販売しながら、悠々自適の生活を送っていらっしゃいます。 早1976年からリュット・レゾネ栽培を開始し、以降、化学肥料と除草剤は使用していません。ガイドやコンクール等への出品は1998年以降であり今回ご紹介する作品より後のヴィンテージになりますが、「ロワール・ワイン・コンクール」、「アンジェ・ワイン・コンクール」等で多数の金賞受賞歴があり、また、「ギド・アシェット」、「ギド・パーカー」等に掲載実績があります。 当時の販売先は、個人のワイン愛好家以外には、「プラザ・アテネ」をはじめとするパリのホテルやレストランが多く、イギリス、ドイツ、スイス、ベルギー、アメリカなどに輸出もしていました。ダニエル・オートゥイユやピエール・モンディといった高名な俳優やレモン・ドゥヴォス、レ・ザンコニュといった有名な喜劇役者が通ったことで知られる、パリの「バル・ド・ラントラクト」にも多く販売されていました。 ご紹介する古酒は、ジャン・イヴさんが当たり年に限って多めに仕込み、料飲店、古酒を愛する個人のワイン愛好家、（および古酒好きな彼自身が楽しむために）、カーヴで大切に貯蔵しながら販売してきたもので、今回縁あって、これらの4ヴィンテージを輸入できることになったものです。（「もう年も年じゃし、こんなに飲みきれんからのう！」とのことです）。 ブルグイユ ヴィエイユ・ヴィーニュ 1986年 所有する19haのうち8ha相当の、樹齢40～90年の区画のぶどうのみを使用した、このドメーヌの最高キュヴェです。 おそらく現時点でロワールワイン解説の決定版と思われ、ぜひお勧めさせていただきたい、「ローヌとロワールのワイン」（河出書房新社刊　山本博著）のP227～P228に、より詳しく記述されていますが、ブルグイユの畑は、場所によって大きく3つに分けられます。 ラ・ヴァレ・・・ロワール河に近い平坦な砂質地帯 ラ・テラス」・・・4キロほどの幅で伸びる台地。白亜質テュフォー基盤で、沖積土・砂・砂利質土壌 レ・コトー・・・丘の斜面畑。白亜質テュフォー基盤で、沖積土・粘土石灰質土壌 一般的には、下（「ラ・ヴァレ」→「レ・コトー」）に行くほど、ワインの構造が大きく長期熟成向きのワインとなり、また、この本では、「ラ・テラスとレ・コトーのものをうまく混ぜ合わせたものが良いワインになると言われる」と解説されています。ご紹介するワインは、7haが「レ・コトー」、1haが「ラ・テラス」のぶどうのブレンドで、テロワール的にも、もともと長期熟成に適していたものです。100%除梗後、温度管理されたステンレスタンクで醸造を行いました。天然酵母のみで発酵させました。発酵完了後、4～6ヵ月間、樽熟成を行いました。清澄は行わず、軽くフィルターをかけてビン詰めしました。