ミュスカデ・セーヴル・エ・メール・シュール・リー レ・グラン・ガ 2016年 シャトー・ド・ロワズリニエール

1株当り5房になるようにグリーン・ハーヴェストした葡萄を、機械で収穫。醸造所に持ち込まれた葡萄は厳格に選別され、良質な葡萄のみが使われる。完全に除梗した後、低温マセラシオン（10度前後）を2日間実施。酵母（C19）を用い、ステンレスタンクで16度で4週間発酵。2日に1度ルモンタージュを実施。発酵終了後、空気圧式圧搾機で圧搾。引き続きステンレスタンクで18ヶ月シュール・リー熟成。清澄、濾過後5月にボトリング。

円みと厚みがあり、凝縮した新鮮なアプリコットのアロマ、リラやスミレの花、塩気を感じるミネラルが備わった非常に力強いキュヴェ。余韻が非常に長く、瓶内で味わいが絶頂に向かい、5年は熟成できる。供出温度12～14度、サービスの1時間前の抜栓がお勧め。 ラングスティーヌ（アカザエビ）など魚介や白身肉とソースの料理、塩味のタルト、アペリティフ、チーズ（ヴュー・コンテ）が熟成された味わいと見事にあう。

最近素晴らしいミュスカデの2007年をテイスティングした。そう、リーズナブルな白ワインの7年物だ。率直に言って、ブルゴーニュの一級クラスの白ワイン7～10年もの古酒よりも熟した素晴らしいミュスカデだった。早熟で酸化したミュスカデを飲んだのはいつが最後だったか?!ミュスカデに望まれた進化は熟成という形で実現した。私が推薦するのはミュスカデ最古にして最高のドメーヌのひとつ、シャトー・ロワズリニエールだ。今は鳥獣保護区の自然庭園となっているこのシャトーは、その歴史を1337年まで遡る! 古くからワイン造りが行われていたのも不思議ではない。葡萄の古木は、この地の特殊なガブロと呼ばれる火山チャートに植えられている。ムロン・ド・ブルゴーニュと呼ばれるミュスカデ土着※の葡萄に最適な土壌だ。この私が推薦する2007が由来するグラン・ガの区画は、ミュスカデ地方の西部で最も高緯に位置する。骨格のある土壌、水はけが素晴らしく、南西向きに植えられた古木が、複雑味と長期熟成のワインを生む。※諸説あります。ナッツ、スパイス、シトラスに熟れたリンゴと桃のノートが漂う目立ったブーケは、シャブリ1級のトップ・ヴィンテージを彷彿とさせることだろう。ワインはリッチで繊細さが残り、ミュスカデのもつ抗えないフレンドリーな快活さを伴っている。完全なる熟成と新鮮さのバランスが保たれている。微笑まずにはいられない。そして信じがたい価格が引き出される。間違いなく、時々この“ビューティー（美酒）”をスワリングしては香りを取ることだろう。あなたとあなたの鼻は真の幸せに浸れることだろう。ワイン・アドヴォケイト誌／デイヴィッド・シルトクネヒト氏コメント（2016）