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ボット・ゲイル家は1795年からワインを造り始め、1953年に先代エドゥアール・ボット氏がドメーヌを創立。5つのグランクリュを含む、13.5haの畑を所有しています。1991年より息子のジャン・クリストフ・ボットが引き継ぎ、2000年からはビオディナミを導入しています。 ジャン・クリストフは、ワイン造りを覚える為オーストラリア、南アフリカのワイナリーで醸造を学び、ムルソーのトップドメーヌ「コント・ラフォン」でも経験を積みました。現在、ビオディナミを取り入れる醸造家の団体「BIODYVIN」(ビオディヴァン)の一員としても活動しています。 ボット・ゲイルはピノグリやゲヴェルツの評価が特に高い造り手です。アルザス御三家（ヴァインバック、ダイス、ウンブレヒト）の次に挙げられるドメーヌにはオステルタグやショフィット、ルネミューレ、ボクスレーがありますが、これらのドメーヌと並ぶ、もしくは、頭一つ出たぐらいのところに位置づけされています。 2000年から始めたビオの効果は明らかに現れてきており、素晴らしく洗練されたワインをリリースし続けています。 ジャン・クリフトフが追求しているのは充分な酸度を持つワイン。そのために植樹密度を高め、収穫率を落とす。植樹密度を高めれば根が競合し自ずと垂直に深く土中に伸びてゆく。これによってミネラルを吸収し、収穫率を下げればアロマの強い、濃縮したワインができる。ビオディナミは最も有効な畑の活性化の手段だと考えています。 醸造、熟成は地下6mにあるカーヴで行われる。収穫した葡萄は、圧搾空気を使ったプレス機で搾汁され、フードルまたはステンレスタンクで醸造。酵母の使用、補酸、補糖などは一切行わない。SO2添加も僅かな量に留める。マロラクティック発酵も原則として行わない。熟成はステンレスタンク、フードル、そして一部600Lの樽（ドゥミミュイ）を使う。これらをさらにブレンドをし、かなり複雑な組み合わせで行います。 彼曰く「追及しているのは酸と糖のバランス。葡萄が完璧に熟す、恵まれた場所に畑を持っているのです。このテロワールで完璧な辛口ワインを造ろうとは思いません。糖は我々のキュヴェの複雑さと奥行きを形づくる上で重要な役割を果たしています。」 貴腐に関しても「果実の純粋さだけを追求するなら貴腐がない方が良いでしょう。しかし、低い収穫率によってもたらせる複雑さを求めるなら貴腐は興味深いものになる。」
アルザス ゲヴェルツトラミネール グラン・クリュ “ゾンネングランツ” セレクション・グラン・ノーブル 2000年 ドメーヌ・ボット・ゲイル 太陽の光と言う意味の、ボットゲイルのお家芸ともいえるグランクリュです。珍しく、ワイン街道の東側にあるグラン・クリュで、雨を嫌うこのピノ・グリにぴったりの大地から生まれました。ワインは若くから黄金色のローブをまとい、熟成が進むと貴腐のもたらす複雑味が現れてきます。 ハチミツやライチ、リンゴのコンポート！アプリコットやスパイス、花、ミネラル、バラの花びらの豪華な香りと油の様な粘性！熟度たっぷりの爆発的な果実味と豊かな余韻！焦点が見事に定まった感動すべき完成作品。