ルーチェ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2009年

1993年のファーストヴィンテージ以来、フランス系品種を用いて造られる「スーパー・トスカーナ」の代表的存在でありながらサンジョヴェーゼにこだわりを持ち続けてきたルーチェ。このブルネッロはそのルーチェに使用するサンジョヴェーゼ100％でつくられています。日本への輸入量はわずかです。

2009年は、優れた品質のぶどうが収穫され、明るい展望がもたらされました。春は前年に続き雨が多く、ぶどう栽培チームにとっては、病害の防除のために苦労の多い季節でしたが、地下水は充分に蓄えられました。6月と7月は反対に、降雨は少なく、ぶどう樹は春の成長の遅れを取り戻し、ぶどうの成熟も加速しました。この結果、ぶどうは非常に良いスピードで成長し、前年よりやや早く熟度が高まりました。さらに、9月は夜の気温が低く、昼間は日照量に恵まれて気温が上がったため、ぶどうは完熟して、品質の高いワインを得ることができました。この年の非常に好ましいぶどう生育期は、最高の環境に恵まれ、良く熟して、理想的な酸とアロマの複雑性を持ったぶどうがセラーに運び込まれました。

このブルネロは、濃く赤いガーネットの色調を持ち、深みのある魅惑的ブーケは、野生のダーク・ベリー、ブラック・ベリー、黒スグリに加え、刺激的なバルサムや黒いリコリスが広がり、アイリスや甘いスミレの花とともに香り立ちます。この香りは、強い香りを放つ地中海地方の灌木地のような、豊かなアロマのモザイクとなって、最後は焦がした樽やスムーズなクローヴ、香ばしいエスプレッソやダーク・チョコレートの複雑な印象で締めくくられます。口に含むと、豊かでフルボディな味わいが、エレガントで誘惑的です。ビロードのように滑らかでたっぷりとしたタンニンに支えられ、とても長く、広がりのある余韻へと続きます。総合的には、力強さとエレガントさを兼ね備えたワインです。