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ポルトガルの北、スペイン北西部の「モンテレイ」は、「リアス・バイシャス」の東に接する比較的小さなDOで、2012年現在、所在するワイナリーの数も25を数えるのみです。この地の白眉は、ガリシアにおいてアルバリーニョと双璧を成す貴品種「ゴデージョ」から造られるエレガントな白ワインであり、「重厚で濃いワインから、繊細で上品なワインへ」の世界的なパラダイムシフトの中、スペインの「秘宝」として、大きな注目を集めるようになっています。 「テラス・ド・シガロン」（シガロンの地）は、この地で長らくぶどう栽培を営んできた20人の名栽培家たちが、ゴデージョ100％による「夢の白ワイン」を誕生させるという志のもとに結集し、2005年に設立したワイナリーです。「シガロン」とは、モンテレイ中心部のベリン村で中世から開催され続けている仮面カーニバル「エントロイド」の参加者がつける仮面のことで、このワインのラベルにもデザインされています。 最新の醸造設備が導入された新築のワイナリーに迎えられたのは、新世代の女性醸造家アスン・カルバルジョ。スペインの複数のワイナリーの他、カリフォルニアの「アローホ」での醸造経験もある彼女は、ベテラン栽培家たちが育んだ高品質のゴデージョのポテンシャルを十分に引き出しながら、女性醸造家ならではの美品を造ることに成功しています。「ポスト・シャルドネ」の声もあるゴデージョですが、筆者も含めて、一般的なシャルドネよりも美味しいと感じる方も多いと思います。	テラス・ド・シガロン コデージョ 2011年 DOモンテレイ。ゴデージョ100％。重厚な粘土質・花崗岩質土壌。樹齢約10年。白桃や青リンゴのような芳香と、様々なハーブを思わせる香味、そして最良のアルバリーリョに勝るとも劣らない、非常にみずみずしい口当たりが特徴です。上品な果実味が、余韻まで長く続きます。