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オーストリア東部、ブルゲンラント州のノイジードラーゼー湖畔に位置する醸造所。同地は湖から発生する蒸気や霧などによって湿度が高く、気候も暖かいため貴腐ワインに理想的自然環境となっています。クラッハーはこの地の他の生産者と同じく、ワイン作りの歴史は新しく1960年にワイナリーを開設していますが、すでに甘口ワイン造りのパイオニアの一人となっています。 クラッハーは、今や4大貴腐ワインと称され、あのデュケムの元オーナー・サリュース候、エゴンミュラー、トカイのイシュトヴァーン・セプシーとともに「ボトリティス・フォーラム」を立ち上げました。 パーカー氏をして「アーロイス・クラッハーは数年前、平和な昼寝を覚ます空襲警報のように突然私の目の前にあらわれた」と言わしめ、彼の貴腐ワインウェルシュリースリングTBA2000に、なんと驚異の99点の評価を与え、クラッハーはトリプルAの地位を確立しました。 クラッハー醸造所は世界トップクラスの甘口ワインの生産者です。アロイスクラッハーは1981年に父親（ルイス）よりワイン醸造所を受け継ぎました。当初、セーヴィンケル地域の甘口ワインは世界最高級品に引けを取らないと主張していた彼の頑固さを笑うものもいましした。しかし、80年代後半より徐徐々に国内で高く評価されるようになり、1991年には今世紀最良の評価を得、国外での地位を確立しました。現在息子であるゲオハルトクラッハーが若干27歳の若さでワイナリーの代表として切り盛りしています。世界的に有名なワイナリーに数えられることによるプレッシャーはありますがワイナリーの代表としての責任、精神面、能力、妥協しな意思を父より引継ぎ、最高級のワインを造るため、日々、努力しています。 所有畑の20haを叔父のルイスが管理、事務関係を母ミエラが担当。栽培品種はウェルシュリースリング、シャルドネ、トラミナー、ピノグリ、ショイレーベ、ヴァイスブルグンダー、ツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ、等。甘口ワインに関しては、2つの製法を採用。500から3000Lのアカシア樽でゆっくりと醗酵させることによりアルコール分が比較的低く、残留糖分が高いのが特徴。さわやかでフルーティーな味わいを実現。この製法をZwishen den Seen（湖の間）と呼んでいます。伝統を守りつつも、クラッハーは世界の甘口ワインを研究し、特にソーテルヌワインに敬意を表した製法でNouvelle Vague（ヌーベルバーグ）は上品なバリック樽で熟成したシリーズで世界に通用する実力をしめしています。 クラッハーのトップワインショイレーベTBA2005No.9はゴーミヨで「Wine of the year 2008]を受賞しました。又、イギリスのインターナショナルチャレンジにおいて「Sweet wine maker of the year」を7回受賞すると言う快挙を成し遂げました。	クラッハー キュヴェ・ベーレン・アウスレーゼ 2012年 シャルドネ40％とウェルシュリースリング60％。繊細な蜂蜜や白桃、バニラ、パイナップルのアロマに、熟したリンゴやシトラスのニュアンス。残糖114.7g/Lからくる凝縮感のある柔らかく甘い果実味に、わずかに感じるきれいな酸とのバランスに優れたデザートワイン。オーストリア貴腐ワイン生産者が造る遅摘み高級ベーレンアウスレーゼ。 クラッハー家について、ヒュー・ジョンソン氏は「イルミッツに本拠を置く、小規模ながら第1級の産出業者。もっぱらプレディカートヴァイン(デザートワイン)を産する。「バリック」で熟成させた(ヌーヴェル・ヴァグ)とそうでないものがある。」四ツ星と「ポケットワインブック」の中で述べています。 元気な頃のアロイス・ルイクラッハー氏、息子のジェルハード・クラッハー氏と当店オーナー。 数年前に訪問し、このクラッハーに惚れ込んでしまいました！貴腐ワインファン納得の逸品です。