３世代続く栽培家の家系に生まれ、高品質のブドウを栽培する事に卓越した経験を持つフランク・ミトロが妻シモーネと共にワイナリーを設立した２年後、一人の醸造家がフランクの姿勢に共感しワイン造りに参加することとなりました。それがバロッサヴァレーでワイン造りに情熱を注ぐ、若き醸造家ベン・グレッツァーでした。

彼の参加によりこのワイナリーは、彼らの求める理念「ピュアな品種の香りを表現し、力強くリッチでありながらソフトなタンニンを持つエレガントなワインをつくる」を追求するため「畑や葡萄品種の個性、ニュアンスを生かした高品質のワインを造るためにはハンドクラフトが欠かせない」という信念を現実のものとしました。

マクラーレン ヴェイルと言えばリッチで豪華な、ユーカリとチョコレート風味がするシラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンがトレードマークとされていますが、加えてミトロの風味にはワイン造りに携わる若く革新的なもの達が持つ、純粋な情熱と同様のピュアな果実味が表現されています。

ミトロ ジェスター シラーズ 2015年

南オーストラリア州マクラーレンヴェイル地区最南部に位置する畑で優しく手摘みで収穫したブドウを使用。この土壌は泥状で冬から春は表面に水分を保ち元気なブドウを育て、夏にはとても乾燥した土壌になりブドウの香りを強めます。収穫されワイナリーに運ばれたブドウはすぐに破砕し、果皮と果汁を数日間スキンコンタクトさせたのち、果実のキャラクターを残すため低温で発酵。発酵後丁寧にプレスし、小樽に移し替えて18ヶ月熟成。2013年ヴィンテージは素晴らしい年で、深みのある風味と活力を持つワインとなりました。

ブラックベリーなどのダークフルーツやチョコミント、アニスを連想させる香り。凝縮された果実味の中に、ホワイトペッパー、バニラ、ブラックオリーブの風味が感じられます。シルキーなタンニンが心地良い余韻を残す、ジューシーで贅沢な味わいです。

ジェスター・シラーズのリチャード・タルトンは道化師の中でもエリザベス一世にとても気に入られていました。タルトンはコメディアンとして初めて国民的な名士まで登り詰め、女王お抱えのパフォーマー達のリーダーとして大成功を収めました。また作家としてもバラッドや芝居の脚本を書き、人気を博しました。