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シングルモルトを熟知したロンドンのプロバーテンダーは「ハイランド パーク」を“スモーク＆ハニー”と評します。“スモーク”とは、メインランド島の大地から採れる、ここにしかない貴重なピート（泥炭）からもたらされるもの。地中で8000年から16000年余りの歳月を経たピートは、原料の大麦を乾燥する際に焚かれ、独特なスモーキーフレーバーを麦に付着させます。また“ハニー”とは、十分な熟成が生む上質なコニャックのような甘さ。この両者こそが「ハイランド パーク」の最大の魅力なのです。 「ハイランド パーク」はフロアモルティングという手間のかかる手法で製麦を行っている数少ない蒸溜所のひとつです。このモルティング手法は水分を含んだ大麦をコンクリートの床に広げ、およそ4時間おきに職人が木製のスコップを振るい均一の発芽を促すよう攪拌するもので、6日～７日にわたり繰り返されます。麦芽の製造を外部工場に委託する蒸溜所が増えるなか、「ハイランド パーク」では、この伝統的なフロアモルティングにこだわり続け、現在でも約20％の麦芽を自社生産しています。 ハイランド パーク」の個性を担う重要な鍵となっているのが、メインランド島でしか採掘できない貴重なピートです。ピートとはヘザーやシダ類が堆積してできた泥炭、草炭のことで、麦芽に燻香をつけるため乾燥の際に焚き込まれるもの。「ハイランド パーク」では、フォギー（約8000年）、ヤフィー（約12000年）、モス（約16000年）の3層を、スキャパ湾を見下ろす専用の採掘場から切り出し、それぞれをミックスして麦芽の乾燥の際に使用しています。この独自のピートは、スモーキー、ピーティで有名なアイラ島のピートに比べて、遙かにもろく、まだ若い印象を受けますが、「ハイランド パーク」に他とは一線を画す独特な個性を生み出しています。	ムーンインポート ラ・ファンチュール・デル '800 ハイランドパーク 1988年 62.4％ 750ml ムーンインポートは、抜群の品質を誇っているのはもちろんの事、イタリアンボトラーの中でもその芸術性が特に秀でたラベルデザインで、1980年代にその頭角をあらわし数々の伝説的なシリーズをリリースし、世界中のモルトファンやコレクターを魅了してきました。 そのシリーズには「THE BIRDS」、「THE SEA」、「THE ANIMALS」に代表され、単発でのリリースは若干ありましたが、2004年「PARIS」以降シリーズでのリリースはなく、ファンの間では今後新たなリリースはないのではと囁かれていました。しかし4年ぶりに「ラ・ファンチュール・デル '800～1800年代の女性たち」がリリース。 濃い琥珀色でバニラや紅茶、スパイシーなチョコレート、スミレ等のアロマ！味わいは若干塩っぽく、モスカテルやリコリスが感じられる逸品！深い眠りから覚めた巨匠による渾身の芸術品、またファンを魅了し、魅惑の世界へ誘われる事でしょう。 5年ほど前にリリースされたシリーズですが、60度を超えるアルコール度数ということもあり、アタックの強い発展途上の印象を持たれていましたが、約5年の瓶熟を経てしっかりとしたシェリー樽の風味が実に良く馴染み、ミルクチョコレートやメープルを思わせる質の高い甘みにややハーブの風味に柑橘系やチェリー系のフルーツ香といった、長熟のシェリー樽ハイランドパークに！しなやかで優美な、まさに女性的な味わい！