ワインは栓を抜いた瞬間から、自分の身体が
空気に触れると、戦いを始めます。
その戦法は、
「篭城」 → 味も香りも閉じてしまう
「剣で応戦」 →トゲトゲした刺激のある収斂味を感じる(若くて濃い赤ワインに顕著)
収斂味のエネルギー源は酸味や渋みなどですが、両者を燃やしながら、
ワインは奥に隠している香、うまみ、果実味などを
ゆっくり前に押し出してきます。
酸味や渋みがある程度燃えてしまうと、香りも味わいもまろやかになり、
果実味や複雑味など、最初収斂味の影に隠されていた
ワイン本来の味わいが出てきて、おいしく変化していきます。
高品質の完熟したよいブドウで作られたワインは、酸味や渋み、
果実味などの内包量が多く、後からおいしさが出てきますし、
栓を抜いてそのまま放っておいても、落ちていく速度も大変遅いのが特徴です。
もし人工的な酸味、渋み、香りをつけた場合であれば・・・
時間が経ってもまるくならず、風味がガタッと落ちても、刺激はずっと残ります。
また、人工香料などをワインにつけた場合も、同じ香りを保ち、
変化したり、よくなったりすることはありません。
天然の成分のみが空気によって変化を起こし、ワインを素晴らしい
ものにできるのです。
高品質ワインは、
「すぐおいしいもの」と「後からおいしくなるもの」がある
「高価とは限らない」
「色が濃いとは限らない(品種、圧搾や抽出の強度によって調整できる)」
のです。
いくら品質が高くても、「おいしさが分かりにくい」、
これはワインにとってもお客様にとっても、
大変もったいないことだと思います。
ヴェリタスのワインで、最初に開けて味の分かりにくいものは、
お手間をかけて大変恐縮ですが、
とにかく一旦「寝て」お待ちください。
『ワインのおいしい瞬間を見届けて欲しい』、それが作り手さん達全員の願い。
それを知っていただくことこそ、彼らがボトルを介して、初めてお客様と交わす喜びのご挨拶でもあるのです。
そんな訳で、「寝て待つ」方法は
こちらです。
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