先日、ローヌのおじちゃんたちが、ヴェリタスにやってきました。
会っちゃった、会っちゃった、
すんごいおいしいワインを作ってるおじちゃんたちにー!!
・・・てことで、そのときのどたばた顛末をひとつ。 |
フランスのダンディ(であろう)おじ様たちから
「5時に行くよ」という連絡を受け、
お掃除したり、テイスティング用のグラスを並べたり、
うきうき、ドキドキ、そわそわ、ワクワクと
4時ごろから挙動不審の私&店員Bヤマウチ。
そんな私たちに、4時45分、一本の電話が。
「今から行くから、2時間後に着くよ」・・・・・・・をい。
そんな『フランス時計』を携えて、フランスの熱き男たちはやってきたのでした。 |
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午後7時前、やっとこさ見えられた彼たちは、にこやかにご挨拶&握手で
なんとも優しげないい感じ。
ご挨拶&名刺交換の『お約束儀式』の後、早速みんなで
彼らのワインをテイスティング。
お味見は、合計8本。白軽め→赤重めの順で、次々に眺め、嗅ぎ、味わう面々。
私、ワインのことはとんと素人ですが、一緒にお味見させてもらって、ぶっ飛び。
だってね、おいしかったんです、めちゃくちゃ。
一人でボトル1本空けられそうなくらい。(←空けんなよ)
細かい鑑定は、辻店長にお任せするとして、
またひとつ、ワイン舌がおりこうになったホソカワなのでした。 |
きらりん、と鋭い眼光を放ちながら
テイスティングをする辻店長こと鑑定士Dr.チュン。
が、真剣なまなざしは、先ほどのニコニコおじさんたちも負けてはいなかった。
店長がひとつ質問すると、次々に返ってくる逆切れならぬ、逆質問。
どちらも本気、どちらも一歩も引けを取らず、喧喧諤諤。
あいや~、店長ってばいつもあたいと馬鹿なことばっか言ってるけど
今日はかっこいいなー、女惚れしそう♪なんてこと考えながら
ふむふむ、と聞き入ってしまいました。 |
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![](https://img.ponparemall.net/imgmgr/21/00101421/photo/phot03.jpg)
かんぷぁ~~~~い!いやっほぅ♪ |
ふと気がつけば、日本時計は9時を指す頃。
おっと、お待ちかねのディナーぢゃねいか。ホソカワの本領発揮ぢゃん。
みんなして日本料理屋さんにGO。
まずは、持ち込みのシャンパンで乾杯!う、うま~。
(ちなみに、当店取り扱いのサンガールミレジムでしたのよ。マジうま♪←宣伝)
小鉢だの、カツオのたたきだの、天麩羅だの、釜揚げうどんだの、
お寿司だのを食べつつ、ワイン談義&世間話は、団体戦から個人戦へ。
私の前には、ムーラン・ド・ラ・ガルデットのジャン=バティストおじさん。
最初は寡黙で物静かだった彼も、ワイングラスを空けるにつれ熱く語り始めました。 |
「僕たちはね、2歳くらいから、ほんの数ミリづつ、父親にワインを
与えられるんだ。そのときに父親はこう言う。『うまいかい?不味いかい?』
最初は、味わうなんてことは出来ないから、とりあえず、楽しむだけでいい。
そこから、(ワイン人生は)始まるんだ。」
「母親は絶対に言うね、『ノン、ノン、ノン・・・飲ませちゃだめだめ!』」
「パーフェクトなワインなんて、できっこない。
だけど、いつも上を目指したい、と思いながらワインを作るのが大切なんだ。
僕の目的は、パーフェクトなワインを作ることじゃなくて
誰かが僕のワインで喜んでくれる、いい時間を過ごしてくれるのが嬉しいんだ。」 |
![](https://img.ponparemall.net/imgmgr/21/00101421/photo/phot04.jpg)
からまれる(?)ホソカワであった(笑) |
じっと私の目を見詰めながら、一生懸命話してくれる。
時々「僕の英語、早いかい?」なんて心配してくれながら。
辻店長はいつも、『ワインには作る人の人柄が顕れる』と言っているけども
そのことを、身をもって体験した気がしました。
ジャン=バティストおじさんの作った99ジゴンダス、今度買~おうっと。
そして、おじさんのお顔を思い出しながら、
気持ちいい休日にしっかりじっくり味わおう。 |
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日本料理屋さんを出るとき、ジャン=バティストおじさんに引き止められた。
なんだかちょっともじもじして、でも何か言いたげ。
「?」目で、なんですか?と訊ねると、パスポートに貼られた1枚の写真。
「これね、僕の3歳の娘。ゾエっていうんだ。 『パパ、いつ帰ってくるの?』って
フランスで待っててくれてるんだよ。 『お土産は何がいいの?』て聞いたら
『パパの好きなものがスキよ(Your taste is my taste.)』って言うんだよ。」
すっご~~~~~~く嬉しそうな顔で笑った。
世界各国津々浦々、大統領からワイン職人まで、『親ばか』は健在です・・・チーン。
でもでも、彼の娘を私に紹介してくれる=最高の親愛の情を私にくれた、
というような気がして、 私も嬉しくて顔がほころんでしまった。
ゾエちゃん、もうパパに会えたかな?
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![](https://img.ponparemall.net/imgmgr/21/00101421/photo/phot05.jpg)
ドトールでのひとコマ。 ワインについて熱く語ってます。 |
日本時計は11時、日本人ならばそろそろお開き。
だが、フランス時計のおじさんたちは加速する一方。
駐車場で歌うわ踊るわ、車に乗れば、カラオケボックス状態。
無理やり近くのドトール(しょぼい?)に場所を移し、またもや熱くワイン談義。
ほんとに、語りだしたら止まらない。でも、そんな横顔はとっても真剣で、渋い。
だけど、日付も変わって、ほんとにそろそろタイムリミット。
お別れの挨拶をしたら、ちゅっちゅっちゅ、とヨーロッパ式の3kisses。
「またお会いしたいです」と言うと、「もちろん、フランスでね」。
ふわ~、ほんとにこの人たちの仕事場(=生き様)見てみたいわぁ、と思いました。
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ほんの数時間の出来事でしたが、とっても貴重でとっても濃い体験でした。
入社して11ヶ月、ワインのことをほんのちょっと知り始めた私には
まったくもって興味深く、もっとワインを楽しみたくなった一夜でした。
さー、おじちゃんたちの笑顔と真剣なまなざしを糧に、Dr.の下での修行に励むぞ!
と、新たな決意を小さな胸に抱いたのでした。 おしまい。 |
![](https://img.ponparemall.net/imgmgr/21/00101421/photo/phot06.jpg)
この時点で、午前2時。恐るべし、フランス時計。 |
Writing by :店員A ホソカワ |