全てを選び終えると私達もスタッフもホッと一息、後は楽しむだけです。
アスパラガスは4人前、一本はキュウリくらいの大きさで12本ほど
湯気をあげ、
あつあつのがドンッと一人前などといって出てきます。
フォアグラもほかほか、パッションフルーツの甘く濃厚な香りが
たまりません。
新鮮でストラクチャーがしっかりしていて、なんとも水水しいアスパラ。
とろりとしたオランデーズソースをからめるとまたおいしのなんの。
ブレスの肥鶏もジューシーで、モリーユ茸のクリームソースと重さが
絶妙に合っていて、口に運ぶごとに、心がウキウキしてきます。
子羊が運ばれてくると、最高の焼き加減で、まさにピンク色。
噛み締めるとどれも外側はカリッと中はやわらかく、でも質感が
存分に味わえる、なんともいえず「うまい!」のです。
結論としては、ボキューズの料理というのは伝統を踏まえ、
でも重たすぎない現代人の好みが反映工夫されている、
ストライク直球思う壺コースのお料理でした。
ロバート・パーカーさん好みのワインと似てるかも知れませんね。
フランス料理のことをよくソースを楽しむ料理と申しますが、
まさに、食材とソースが仲のいい夫婦のように息ぴったり。
どちらも欠かせないお互いを最高のおいしさに演出する
お料理でした。
現代料理はアラン・デュカスやトロワグロのように、
一皿に色んな国の味わいがミックスされたフュージョン(無国籍料理)
なところもあり、アルページュ(アラン・パッサール)の
ような超モダン、かなり分りにくいお料理もありで、
興味は尽きません。
しかしながら、時々このように、非常に王道なフランス料理をいただくと、
やっぱりここが出発点だよね、なんてとっても納得してしまいます。
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