限定数２０名ほどのこんぢまりとしたセミナーでした。 お陰で、作り手のＢＢとほんの間近くお話ができて、 大変和やかな雰囲気の楽しい時間を過ごす事ができました。

これまでのテスタマッタ誕生から今日までを振り返りながら 色々な事を語ってくれました。

お部屋はとても明るく眺望のよいレストランの一室で とても雰囲気のよいくつろげそうなお部屋です。

にも拘わらず、３時のセミナーに３時に到着したため、 バタバタの入室となり（いつも通りの）座席をどこにとろうか 見渡しながら、エーッと、ＢＢはどこにいるのかしら・・・。

ずらりと並べられたファン垂涎のテスタマッタと そのシリーズの前に彼は静かに座っていました。

「わぁ！（ここにいらしたのですか！）お目にかかれてとても嬉しいです。」
「そんな、こちらこそ。」

初対面ですが、二人とも久しぶりで会った友人のような ニコニコ笑顔になりました。

来日は既に３度目、２度目の来阪です。

「この前はいついらしたのですか？」
「春でした。４月に来たんです。とてもよい季節でした。」

「では、京都などいかれましたか？」
「ええ、美しいところですね。素晴らしかった。」

「４月なら桜はご覧になりました？ 京都にはそれは素晴らしい日本庭園が沢山ありますが勿論 お行きになりました？」

「それが、桜は見そびれて、とっても残念でした。 あ、でも美しいお寺を散策しました。 名前は覚えていないのですが格別な場所でしたね。」

ＢＢグラーツ氏は、物腰がやわらかく、ふくふくと太った丸いボディと ちょっとはにかみやさんの笑顔がとても好感の持てる印象でした。

２０００年初リリースから垂直で試飲し、新しいレンジのものも 加えて試飲するというまたとない絶好の機会となりました。

誰もが気軽の飲めるように作ったテスタマッタのカジュアルレンジ、 カザマッタの赤に合わせて今回白もリリース。 ＢＢファンとしては期待が多いに膨らむところです。

シャルドネ５０％、ソーヴィニョン・ブラン４０％、トレヴィアーノ１０％ のブレンドはフルーツの香りがピュアで、とてもソフト＆フルーティ。 温かな日差しを感じるピーチやリンゴのふわりとした、それでいて 酸味しっかり、爽やかな印象でした。

『とにかくよい白がないトスカーナで、ここまでできる、 ということをこれによって、確認できたことが大きな収穫。』 とグラーツ氏自身も快心の作。 両方ともいくらでも飲めそうなとても親しみやすい味わいでした。

２００２年のテスタマッタの収穫は大変難しかったため、 なんと例年の３０％だけをテスタマッタに使い、 残り７０％は、新たに設けたセカンド「グリッリ」になりました。

２００２年グリッリは力強い樽のフレーヴァーの脳天をカーンとやられ そうなくらい樽々コクコクワインでした。 セカンドといえど、これはアウトスタンディングなパワフルタスカン に仕上がり、 「樽を試飲しながら、テスタマッタにするかグリッリに落とすか、 この作業はとても勇気が要りました。」 と語っただけはあると感じました。

ヴィンテージとしては大変困難な年となったにも拘わらず、 ２００２年は２０００、２００１年の大柄な炸裂するタイプと 違って、粘り、透明感、果実のさらなる厚みが増して、 明らかにまた一線を超えたと実感できるものでした。

見せびらかさず、それでいて力が満ち、エレガントに振舞う、 フィネスを備えた素晴らしい２００２年となりました。

作り手にとって飲んだ人がどんな事を感じたか、それに大きな関心を 持っているので、大変熱心に聞いてくれ、同じように感じたことを 確認し合うと、「そうそう、そうでしょう、僕もそう思ってるんだ！」

ワインを通して思いもまた通じる、私にとってもＢＢにとっても、 とても楽しいひと時となりました。

「フィレンツェからは車で１０分、お客様を連れて蔵訪問や 町散策もよくするのでまたよかったらいらしてくださいね。」

「ありがとうございます。それじゃ、遠からずまたフィレンツェで。」

彼のファンなら勿論どなたでも大歓迎だそう。 そんなことで、ＢＢグラーツのワインシリーズぜひお見逃しなく！