朝９時ごろに関西空港にお着きになったばかりで、お疲れだったにも関らず、 １０時に弊社ににこやかな笑顔でおいでになりました。

２００５年の収穫についてお尋ねしましたら、 すばらしいブドウが実ったそうです。

今年は春の雨が多く、気温の低い日が続き、のっけから難しい状況にぶつかり、 ７月はかなりの暑い時期が続き、その後またまた雨が降り続き、気温が低いままどうなることかと気をもんで、 今年はもうだめかなぁとオーストリア中のワイナリーが諦めていたらしいのです。

ところが、その後、大変な好天がやってきて、秋まで気温が温かで、 通年なら１０月１５日にはとっくに、どこともストーブに火が入っている時期でさえも寒さ知らず。

雨の８月も、ニコライホフのブドウの実はほとんど腐敗果がでることなく、元気に育ったとのことで、

「ＢＩＯの木は生きる力が強く、他の木よりも早く完熟するのですよ」 と、語られました。

例年なら１１月くらいまで摘まないトロッケンベーレンアウスレーゼのブドウも、 なんと今年は１０月に摘み取り成功！

「糖度を上げるために寒い時期をずっと木に実をつけておくことは 本当はブドウにとって大変なストレスとなるのです。

ですから、寒さに晒されながら糖度を上げるよりも、暖かい環境の まま完熟する方がより理想的なワインができるので、２００５年の トロッケンベーレンは本当に素晴らしいワインとなるでしょう。」

う～む、そうでしたか、これは大いに期待がもてそうです。
そういえばニコライホフのトロッケンベーレンって、２００１年ものは パーカー氏から９６点もらってるんですよね。
いよいよ今度は１００点満点ですか。

ご用意申し上げたのは懐石料理。それに合わせて、

２００３　シュタイナーフント　リースリング

１９９９　ズーセンベルグ　グリュナーフェルトリーナー　アウスレーゼ

を召し上がっていただきました。

２００３年シュタナーフント　リースリングは、 先付けの煮物や小魚の燻製、マツタケとほうれん草のおひたしなど、 どれと合わせても、淡雪のようにスッと食べ物に大変よく馴染みます。
お刺身や揚げ物、焼き魚、すべてのお皿に、たちまち華やぎを 添えるこのオーストリアワインの底力に驚きを覚えました。

香り高く自己の主張をしっかりともちながら、決してお料理の調和を崩さない、 どころか、口の中で見事に融和してさらに美味しさをひきたてるではありませんか。

やっぱりワインの毛並みのよさが随所に現れては消えるこの自然感、 ＢＩＯであり、また類まれなる作り手の才能といわずにいられない高貴な味わいでした。

アウスレーゼを開けて、きのこの牛肉巻きと栗が入った煮物に合わせますと、 肉の脂と栗の甘さがアウスレーゼの貴腐香ととろみに抱かれて、もう愉悦が湧き上がるほどの美味しさ！

もしかして、マツタケのすき焼きなんかともものすごく よく合うのではと思いました。

これからはあらゆる和食に、ニコライホフのワインが テーブルの上に華やぎと新しい美味しさをもたらすに違いありません。

皆様も感涙しながらぜひこの一本お召し上がりください。