シャトー・ド・ヴァランドロー
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ヴァランドローの畑 |
年末おさわがせ突撃蔵訪問、あのヴァランドロー!!
どこへでも出かけるシャチョーとテンチョー。
今度はあのヴァランドローのテュヌヴァンさんの所へ行ってきました。
すばらしいワインメーカーとして有名なだけでなく、ワイン商としての
その実力も誰もが認めるところです。
その日は、日ごろの行いがたたってか、シトシト雨が降る降る。
サンテミリオンの古い町並みと石畳にそぼ降る雨はなんともロマンチック。
けどメチャさぶい~~~っ!
町の入り口付近でタクシーを降り、ウロウロあたりを見回すこと5分。
入って5,6軒の場所に目指すワインショップ
「メゾン・ド・ヴァン・デュ・リブルネ」がすぐ見つかりました。
この建物の2階が世界中にステキなワインを紹介しているテュヌヴァンさんと
その優秀なブレインがお仕事している場所です。
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木の階段を上がるとドアの向こうにテュヌヴァンさんが。
やわらかな笑みを浮かべながら交わす握手も、とっても静やか。
苦労の人生とそれによって培われた静かなる闘志が感じられる物腰です。
すてきなワインに出会いたくてお尋ねした旨をお伝えすると、
すぐのヴァランドローに連れて行ってくださることになりました。
セラーの中には特注のイノックスの醗酵槽があり、なんだか宇宙空間のよう。
ヴァランドローはもちろん、細心の注意と深い愛情と最高のテクニックの中から生まれて来る。畑のサニテーションも欠かさず、畑守の方だけでも常時7,8人でしている。
化学肥料は使わない。コンポストで有機肥料を作り、7月には一度だけグリーンハーベスト(間引き)、2000年は話題になったシートは使わなかった。現在は排水管を埋めている。などなど。
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この中に、何万円分ものヴァランドローが・・・(汗)
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ヴァランドローとはなんでしょうか?
移り変わりをお尋ねします。
初めてのヴァランドローは私の想像とはかなり違っていました。
ポムロールのようなワインを目指し、もっと濃縮したものを作りたかったのです。
ル・パンのようなエキゾティックでリッチさを持ち、ロートブッフのように
しなやかで力強い食感を備えたワイン。
口の中に甘い芳醇さと肥えた、アルコールの粘りが隅々まで行き渡るような、
そういったものをです。
現在のヴァランドローについては概ね満足をしています。
しかし、私はもっとおいしいものを作りたい。
歴史に残るようなヴァランドローを。
ちょうど、それは1947年のシュヴァル・ブランや
1945年のムートンのようなということです。
常にいいワインを作る方法を考えています。 |
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熱弁を振るうテュヌヴァンさんなのであった。
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もっと飲みやすい、もっと、もっといいものを。
私のいいワインとは、飲んだときとてもスムースで、けれど十分な
濃縮をしており、そしてエレガントさを持つもの。
今私は新たに畑を買い足しました。
98年のムートンやシュヴァルのようないい物を生み出せるテロワールです。
自然の手付かずの状態そのものをテロワールだと思っている人が
いるようですが、実際は人の手によって最高のコンデションを生めるように
整えてこそ、いいテロワールといえるのです。
ワインのおいしいまずいを全てテロワールのせいで片付けてしまう
評論家もいますが、味わいとは第三者が作り出すものでもあるのです。
市場が求めるおいしさを作り出すということは、ワインの存在価値を高める
とても大切なことです。
その第一歩の“よいぶどうを摘む”ということが最重要なのです。
さらにケミカルを廃した限りなくBIOなワインが欲しいと思っています。 |
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う~む、ワインを語りだすと、テュヌヴァンさん、おしとやかだが熱い熱い。
止まんないのであった。
最後に、現在のヴァランドローを女性に例えたらどなたでしょうか?
エッ?と意外な質問だったらしく笑み崩れるテュヌヴァンさん。
「 イザベル・アジャーニ 」
れ?なんだか恥ずかしそう。カワイイー。
艶やかで香るような美しさ、咲き誇る大輪のバラ。
それが、ヴァランドローということでした。
そのすぐ後、2000年のヴァランドローを(一体いくらなの~~~~!!?)
試飲させていただきました。
生まれて初めて飲むヴァランドロー。しかも世紀のビッグヴィンテージ、
しかもヴァランドローで!
赤紫の深い色合いの美しいこと。ゆっくり香りを聞いてみる。
イザベル・アジャーニはどこ?
ふくよかな樽の香り。
マロンクリームや完熟したフルーツ、リキュール付けしたコンポート、
ミネラル、鉄。
内包するにはあまりに分量が多すぎるため、そこかしこへ漂い出てくる。
そんな感じ。青さのかけらもない。
ホントにホントの完熟だ。
口に含む。甘いタンニンと打つ手を緩めることのないしっかりした充分な酸。
味わいそのものが、濃縮され、黒々とした色を感じる。隙間がない。
だがしなやかさがこのワインをとても魅力的でエレガントにしている。
君こそは真紅のバラ。
なんぞ咲き乱れるを愛でまじ。
イザベル・アジャーニ、ごちそうさまでした。 |
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この後もちろんヴァランドローの畑をみせていただき、そして鳥さんの分け前
の積み残しのブドウをいただきました。
甘さ充分、酸も充分。
あんまりおいしいのでぶどう狩り気分のシャチョーとテンチョー。
辻さん、これおいしいですねー。
さっすが、ヴァランドローの残り!
さっきテュヌヴァンさんもいいぶどうを摘むってことが
最重要っておっしゃってましたから、さっそく実践ですね!
ちょっと意味違うんじゃないっすか、それって。
ハグハグハグハグ・・・・・(←もう聞いてない)
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Chateau de Valandraud
シャトー・ド・ヴァランドロー
コク辛口 赤 750ml
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そんな私たちのデコボココンビが見えたのか、
シャトーの坂を見上げると、そこにボトルの刻印どうりの
教会の屋根が笑っていた。
あー、今回もまた、充実してしまったなー。
酒好きだったら極楽だよなー、この商売。
アルコール飲めない体質がちょっぴり寂しい私であった。
追伸
この日テュヌヴァンのオフィスに一匹のでっかいワンちゃんが
迷い込んできました。雨は降るし、飼い主さんが迎えにくるまでお預かり
していたようですが、後から、その子はバルド・オーのワンちゃんだと判明。
バルド・オーのワンコがヴァランドローで雨宿り。
う~~ん。シャレてるぜ。 |
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