ドメーヌ・パブロ
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絶景かな。 |
突撃訪問 ペルナン・ヴェルジュレス パヴロ、どこまでもこだわりの最高のブルゴーニュ ぶどうは全部特級と一級の畑に囲まれているって、ホント?
丘をぐるぐると超え、突然現れる美しい風景。
夕方4時、遅ればせでペルナン・ヴェルジュレス村に着く。
傾斜の大きな丘に囲まれ、ちょうど谷になった地形のこの村は
教会を中心に家家が囲むように立っている。
桃や木蓮の白さが早春の明るいグリーンの草や木々に映えて、
古い石作りの建物が並ぶ様子は、名画の世界だ。
ブルゴーニュの中でも知名度的に地味なぺルナンベルジュレスの村
は、実際一度その風景に接すれば、決して忘れることはない。
慕情を掻き立てるほどの美しさなのだ。
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ドメーヌ・パヴロに到着したとき、レジ・パヴロさんの娘さんのリーズさんが
私たちを歓待してくれた。
パヴロのペルナンヴェルジュレスはいくつかの等級の畑に分かれている。
特級コルトン、お馴染みの一級畑レ・ヴェルジュレスやスーフレチール、
同じく一級畑イルとギャラドゥーなど。
ボーヌの方角に向かって手前左手がスーフレチールその奥がコルトン、
コルトンの真向かい右手の斜面がイルで、この素晴らしい3つの畑の
延長線上で獲れたぶどうがペルナンヴェルジュレス・ヴィラージュとなる。
つまり、パヴロのペルナン・ヴィラージュはほとんどが一級畑と特級畑に
類するぶどうで仕込まれているといえる。
これは消費者としても見過ごすことができないすごいことだ。 |
娘さんのリーズさんと一緒に。
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はるか飛び地になっている特別な畑とはまったく縁もゆかりもない場所から、
どことも無造作にヴィラージュワインを産出しているというのに、パヴロの
畑はすべて有名な畑の境界線をうっかり踏み越えたところにあるのだ。
部分的にクロ(特別小区画)の名前でもつけて売ればそれなりの価格で
売れるだろうに、そんなケチなことは想いもしないパヴロ家の人々だった。
ケミカルなものを使用しないで済むように様々な試みをしている。
ぶどうの木の病気に対しては天敵を放つか、天然成分を施術する
などほとんどBIO(自然農法)に近い方法をとっている。
面白いのは、春先に畑に飛来する雄の蝶を捕獲して幼虫の繁殖を防ぐ
ようなこともしていることだ。
捕獲網に雌蝶のフェロモンを入れて仕掛けるとどんどんワナに
はまるので、これもまた薬品を使わなくても済むという人知の技だ。
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お馬さんが畑を耕す。 |
3年前からは、畑の耕運を機械で起こすこともやめている。
コントワ種という馬力を使い、人馬一体となって耕している。
耕運は従来、畑に空気を入れるために行う作業なのだが、トラクターの
タイヤの重量でせっかくの土が踏み固まってしまうため、馬力に
変えたそうだ。
春に一回、初夏に一回、そして夏にもう一回。
パヴロの畑は何度も深呼吸をさせてもらっているためとても健全だ。
この馬力を使っているのは、あとロマネ・コンティがある。
1960年まではどことも馬で耕していたそうなのだが、今はわずかな
世帯でこれを残している。
時間も費用もかかるが畑のポテンシャルを守るためには有効とのことだった。
ロマネ・コンティももちろんBIOである。
イルの畑はパヴロの中でも特に樹齢の高い木が植えられており、
家族の4世代をずっとみてきた70歳の古木がある。
すでにあたりは夕暮れて、日もとっぷり傾いて来てはいた。
早春の苔がずんぐりとした胴体に彩りを添えて、
立派な幹が畝に連なるようすは、私が見ても壮観であり、
パヴロ家の所有する畑にたいする誇りと愛情が伝わってきた。
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1996 Pernand Veugelesses Domaine Pablot
1996 ペルナン・ベルジュレス ドメーヌ・パブロ
コク辛口 赤 750ml |
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2000 Corton Charlesmagne Domaine Pablot
2000 コルトン・シャルルマーニュ ドメーヌ・パブロ
コク辛口 白 750ml |
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他3アイテム |
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大切に育て、守り抜いてきた。これが実感だろう。
いくつかのワインをヴィラージュから特級まで9種類試飲させていただいた。
総天然だし。
全部がそんな感想だ。
ちりほどの添加も不自然な甘みも旨みも酸もタンニンも、何もない。
すべてが自然で、細く、エレガントで最高の酸とタンニンを有している。
まっこうから直球勝負、パヴロのワインは質朴さと磨き上げられた洗練の
中から時間だけを待つタイプだ。
おいしくなるしかない運命。
そんな運命に身をまかせてみるのは私たちワインラヴァーの
望むところではないか。
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パブロさんも一緒にご歓談♪
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