ユリカレザークラフトの新しいミニ財布【包子（パオズ）】です。お財布の収納部分が、まるで餃子みたいに一枚の革で包むようになっていることから、こう名付けられました。横から見ると、一目瞭然。革のヒダが折り重なる様子は、餃子の皮のそれと完全に一致。ヒダ＝マチなので、中はじゃばらポケットになっています。もうひとつのポイントが、ユニークなダブルフラップ構造。内外２枚のフタをマグネットホック１個で留められるように（内側のフタは丸穴に通して固定）工夫することで、開け閉めのわずらわしさを見事に解消しています。

サイズ的には、同じスクエアフラップ型の【財布小2】よりも横幅が小さく、二つ折りタイプの【財布12】と比べると若干大きめ、といったところ。楕円形の横顔を見てもわかる通り、丸っこさという点では、ユリカのお財布の中でも、コロンと感は強めです。構造上、ゆったりとしたつくりではありますが、使うにつれ、革が馴染んで、カタチにも落ち着きが見られるようになってきます。こういったエイジング（経年変化）が感じられるところも、【包子】を持つ楽しみのひとつと言えます。

紙幣は、お財布本体の札入れポケットに挿し込み、フタ裏に添わせるようにして先端を返しの内側に収納。折り目をつけずに、そのまま仕舞うことができます。ポケット内には余裕がありますが、出し入れのしやすさを優先するなら、お札以外には何も入れないのがベターです。マグネットホックが誘導してくれるので、開閉が格段にスムーズになる上、不意の閉め忘れも回避できます。返しの内側には、お札の引っかかりを防ぐカバーが付いています。

真ん中の収納スペースは、マチありのカードポケット。写真の状態で、10枚のカードが入っていますが、まだ余裕を残しています。ポケットは手前に向かって低くなっているので、中のカードがよく見えます。仕切りの中央部分がカットされているのは、指でカードをつまみやすくするための工夫です。小銭入れとの間は、カードが１枚だけ入るように仕切られています。

小銭入れは、ユリカではおなじみの底浅タイプ。ポケットが浅いおかげでコインが見やすく、取り出しやすいのが特長です。開閉は、内フラップの丸穴にマグネットホックを通すだけなので、とても簡単。お財布本体の外フラップを開ける際は、少し長めにつくられた内フラップの先端を指で押さえます。こうすることで、内フラップを閉じたまま、お札やカードだけを出し入れすることができます。

カードを利用する機会の多い昨今、すぐに取り出せるカードポケットはとても重宝します。出し入れをスムーズにするため、オープンタイプになっていますが、カード１枚分がすっぽり収まるように調整されているので、入れたままで使える交通系ICカードなどにも最適です。

植物性タンニン鞣しの姫路産牛革（ヌメ革）に吟スリ（革の表面を薄く研磨すること）・オイルワックス加工を施した、イタリアンレザーにも似た雰囲気を感じさせるスムースレザーを使用しています。使いはじめはマットな質感で、サラッとした手触り。やや白っぽいニュアンスのあるカラーリング。比較的、早い段階で強めのエイジング（経年変化）が見られるのが特徴です。薄化粧に仕上げられた革には、人の肌と同じように個体差があり、シワや色ムラなどは、その革だけが持つ天然の模様とも言えます。色の深みや光沢感・アタリなど、革の表情が変わっていくのを楽しみながら、自分だけのお財布を育ててみて下さい。