このシャトーは、アペラシオンリストラック。18世紀からこの地でワイン造りを行っており、現オーナーのブラスケ氏は、93年にお爺さんから受け継いだ4代目になる。ぶどう畑は4ヘクタールとボルドーのシャトーとしては小さいもの。
ブラスケ氏は、「うちは妻と2人だけでやっている。自分の目の届く範囲で高品質なものを造り続けたい」と言う。品質へのこだわりは、ぶどうを摘むところから始まっており、一粒一粒の実を手で摘み、ぶどうの実をつぶさないように小さな籠で集めている。手摘みのシャトーはたくさんあるが、籠の大きさまでに気を使うところはそう多くはない。
また発酵もトロンコニックという新しいタイプのステンレスタンクを使っている。これは昔の大樽と同じ形(底面より上部が狭まった形)をしたステンレスタンクで通常のものよりもスキンコンタクトが十分にできるというもの。ボルドーではこことシャトーパルメでしか使われていない珍しい物だ。
樽熟は20ヶ月と長め。新樽は「ぶどう本来の持ち味を消してしまうのでほとんど使わない」と言う。品質へのこだわりは樽に入れた後にもある。ここではワインを清澄するのに、昔と同じ卵白をそのまま使う方法を使っている。もちろんコストも手間もかかるのだが昔からの伝統を守っている。
このワイン、フランスでは25ユーロ(約4000円)程度で売られているのだが、味は130ユーロ(約20000円)のグランクリュと比べても遜色がないものだ。
|