- 著者 : ジェイムズ・ワイリー(著) 大山晶(訳)
- 出版社名 : 中央公論新社
- 発行日 : 2020年11月
- ISBN : 9784120053511
- ゲーリング、ゲッベルス、ヒムラー、ハイドリヒ、ボルマン、ヘス。これらの名は第三帝国における権力や威光の同義語だ。だがおそらく、カーリン、エミー、マクダ、マルガレーテ、リーナ、ゲルダ、イルゼといった名はさほど知られていない。
これらは悪名高き男たちの陰にいた女たちだ。独特な個性が複雑にからみあった彼女たちはヒトラーに魅了され、彼女たちの日常生活はナチのイデオロギーに支配されていた。ナチズムが勃興から衰退に至るまで、この女性たちは愛し、亡くなり、子育てをし、夫婦喧嘩をし、夫人同士で争った。その間ずっと、強大な総統の愛顧を得ようと争った。それなのに、彼女たちはほんの脇役としてしか扱われず、その重要性は無視されてきた。夫の殺人行為には気づいていなかったかのように。壁にかかった絵画は強奪したものだったし、屋敷で働かせていたのは囚人たちだった。食卓にのぼる食べ物は収容所で育てられたものだった。証拠は至るところにあったというのにだ。
本書はこういった女性たちを初めて詳細に調べ、闘争、権力掌握、凋落、破滅から戦後の否定と誤った思い込みに至るまでの時代を通して、彼女たちの物語を巧みに織りあげた。※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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