- 著者 : 林廣親(著)
- 出版社名 : 笠間書院
- 発行日 : 2016年03月
- ISBN : 9784305708014
- 戯曲のことばを前に「なす術を知らない」
思いにとらわれてこそ読みへの意欲は動き出す──
技術や方法では得がたい
作品の読みを模索した、記録の集積。
〈劇文学〉という言葉が生きていた時代、
戯曲は文学的感受をもって読まれていた。
舞台・劇評にこだわる今日の読みを離れ、
「戯曲の読み」を柱とした戯曲論。
文学・演劇に関心を持つすべての人へ。
【 ハウツーで教え、また教わるような読みの方法は在り得るかもしれないが、自立した個々の作品の味解にそうしたものがどこまで役立つのか疑わしい。また方法への関心がすなわち読みへの関心ではないだろう。プロットとストーリーを区別するセンスさえ体得していれば、むしろ戯曲のことばを前にして「なす術を知らない」思いにとらわれてこそ、読みへの意欲は動き出すに違いない。拙著の題は「戯曲を読む術(すべ)」と読んでいただきたい。所収の作品論は何れも作品を前にした際の徒手空拳の思いから始まっている。作品を読み解く「術(じゅつ)」は、個々の作品のありように即してそのつど編み出されるしかない。本書の内容は基本的に模索の集積であり、一般的な読みの方法を説こうとしたものではない。...「はじめに」より】※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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