- 著者 : 小川功(著)
- 出版社名 : 笠間書院
- 発行日 : 2019年12月
- ISBN : 9784305708984
- 今はなき国鉄支線や私鉄が健在だった昭和41(1966)年。極北稚内から南国枕崎・海潟まで、20歳の若者二人が鉄道の最果ての「聖地」を旅します。
昭和39(1964)年の東京オリンピック開催と東海道新幹線開業により、街も鉄道も新時代に入りました。本書は、昭和41年3月、JRの前身・日本国有鉄道(国鉄)の運賃大幅値上げ前に行った17日間の日本一周鉄道旅を通して、今は失われてしまった鉄道沿線の街や人々の様子を描き出すとともに、鉄道とその車窓から見た昭和の沿線風景が、その後半世紀にどのように変貌したかも解説します。
【目 次】
はじめに
目次
第一部 旅行記編
第一章 北への旅立ち(大阪~上野~函館)
第二章 氷雪の道東を巡る(札幌~名寄)
第三章 ひたすら極北の地を目指して(名寄~稚内)
第四章 反転、一路日本海に沿って南へ(稚内~大阪)
第五章 再会、最南端枕崎への旅(大阪~枕崎)
第六章 陽光の南九州を巡る(鹿児島~呉)
第七章 四国のテツロ巡礼で結願(松山~大阪)
第二部 解説編
第一章 日本一周旅行の背景
ルーツたる諸国巡礼、旅人の個性/学生寮の人脈、最大の動機・学割のフル活用、海外旅行の代替/「遠くへ行きたいけれど…」、北方&南方/マージナル指向、ウサギとカメの“二刀流、北海道固有の“簡易”文化に陶酔、マージナル・マン・坂本龍馬への憧憬、ローカル線・弱小私鉄への偏愛、奇妙な鉄道崇拝と駅スタンプ試論
第二章 日本一周旅行のその後
懐古趣味と「テシオノスタルギヤ」、昇格という“光”の中の“影、ヤマの消滅と道連れとなった炭砿鉄道の悲劇、地方私鉄の壊滅、国鉄ローカル線、私鉄帝国主義の終焉、バス企業の破綻・消滅、商業施設の消滅、懐かしき昭和情景の喪失
第三部 座談会
おわりに
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