- 著者 : マルク・レヴィンソン(著) 松本裕(訳)
- 出版社名 : みすず書房
- 発行日 : 2017年11月
- ISBN : 9784622086536
- 多くの人が望む高度成長は、ふたたび訪れるのだろうか?
本書は、第二次世界大戦後の高度成長期がむしろ「例外」であり、現状の低成長こそが「平常」経済であるという見方を、戦後史を丹念にたどることで、裏づけていく。
戦後ブームからオイルショックへ、そしてそこから生まれたオイルマネーによる金融危機と政治の右転――1940年代から80年代にかけてのこの巨視的な構図のうえに、西ドイツ経済の黎明期をリードした経済相カール・シラー、FRB議長として1970年代のインフレに対峙したアーサ・バーンズ、OPECを主導したサウジアラビア石油相アハマド・ザキ・ヤマニ、規制緩和を進めたニクソン、フォード政権の米財務長官ウィリアム・サイモンといった、意外な人物を細密に描写することで、一つの原因では説明しつくせない経済の実相が明らかにされる。そこから見えてくるのは、左右を問わない、経済に対する政治の無能な姿だ。
長期的視点で、世界経済を把握するために必須の一冊。※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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