- 著者 : 田中郁子(著)
- 出版社名 : 思潮社
- シリーズ名等 : 現代詩文庫 219
- 発売日 : 2015年10月
- ISBN : 9784783709978
- 不可視の詩の領域へ
ススキが銀色になびく季節
わたしはちちやははから生まれたのでした
けれども ちちやはははわたしから生まれたのでした
やはりススキが銀色にひかる季節でした
高い山のすそ野でした
(「ナナカマドの歌」)
「田中郁子の詩は語り難い。たたずまいは地味なのに、底のほうに渋く華やかな弾力がある。岡山の自然がこの人の言葉を礎となって支えているが、そこから流れ湧いてくるのは霧のような哀しみである」(小池昌代)。父祖から継いだ山間の地から、生と死が白く輝く場所へ架橋する。代表詩集『紫紺のまつり』『ナナカマドの歌』『雪物語』全篇収録。戦後の苦難から辿りついた人間と自然の涯にある聖性。解説=粕谷栄市、新井豊美、岡島弘子、水島英己、新延拳※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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