- 著者 : 日比嘉高(著)
- 出版社名 : 新曜社
- 発行日 : 2014年02月
- ISBN : 9784788513693
- 国境を越えて生きるとはどういう体験か?
明治初期から始まったアメリカへの移民は、黄禍論の影響もあり、一九二四年の排日移民法で全面禁止されました。そして日米開戦とともに、日系人は「敵」として強制収容所に入れられました。そのような苦難のなかでも人々は書物、文学を手放すことはありませんでした。むしろ文学が生きるよすがだったのかもしれません。漱石『猫』のパロディ本、有島『或る女のグリンプス』と写真花嫁の話、アメリカ西海岸で活躍した翁久允やハワイ出身の二世作家・中島直人など、今では忘れられた日系移民の文学を掘り起こし、アメリカで刊行された日本語の新聞・雑誌、日本人町に花開いた五車堂などの書店文化の盛況にも言及します。「日系アメリカ移民」という日本とアメリカの文化の狭間で生き、歴史のうねりに引き裂かれた人たちの経験と苦悩を、文学と出版をとおして描出する気鋭の力作です。著者は名古屋大学准教授。※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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