- 著者 : 吉本圭一(著)
- 出版社名 : 科学情報出版
- 発売日 : 2020年03月
- ISBN : 9784904774885
- 本書は、学校から職業への移行を前にした若者を想定し、学ぶことの問いと働き方・キャリアの形成の問いと、その関りから話をはじめたい。教育は、「学問は立身の財本」 と称揚される時代ではなくなっているが、教育が、キャリアを拓くことを本来の目的としていることにかわりはない。将来のキャリアが見通せない今日、どのような学びが有効なのだろうか。これまでの日本の教育と社会における現実のキャリア教育の展開や問題点を振り返り、これからの可能性を展望していきたい。キャリア教育の類書には、アメリカをキャリア教育の先進国として、その理論の紹介、適用を説くものも少なくない。そこでは、キャリア発達モデルであったり、適性論であったり、近年ではキャリア構築論が語られたりしており、またその過程での心理学的なカウンセリング技法などが中心的なテーマとなっている。もちろん、こうした技法等の汎用性を否定するものではない。本書は、その動向も視野に入れてはいるけれども、あくまでも日本の教育と社会の現実に即して、また理想的なモデルではなく、実証的な知見の範囲で議論をおこなう。そういう意味で、教育社会学からのキャリア教育論である。本書を通して、キャリアを拓く教育の方法論として、学術と職業の往還、系統的・法則的な学習と経験的・文脈的な学習の往還、あるいは螺線状の高度化をする学びの方法に注目し、またその有効性を実証的に検討していく。※本データはこの商品が発売された時点の情報です。
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